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中国第1世代ニュートリノ実験装置、科学の使命を果たし退役

人民網日本語版 2020年12月14日13:41
中国第1世代ニュートリノ実験装置、科学の使命を果たし退役

稼働停止のボタンが押されると、実験ホールの水槽の覆いがゆっくりと開き、青い高純度水の中に浸った4台のニュートリノ検出器が人々の前に姿を現した。4年間の計画、4年間の建設、9年間の稼働によりデータを取得した大亜湾原子炉ニュートリノ実験装置が12日、科学の使命を果たし正式に退役した。同装置は中国第1世代ニュートリノ実験装置で、中国科学院高能物理研究所が主導し、中米両国の科学研究者が協力し研究を展開したものだ。中国側がすべての実験室の建設と検出器の半数の開発を担当し、米国側が約半数の検出器の開発を担当した。他にも複数の国・地域が実験・建設と科学研究に参加した。新華網が伝えた。

同装置は2011年12月に稼働開始した。科学研究者は2012年3月に、新たなニュートリノ振動の発見を発表し、その振動の幅を導き出した。この重大な発見は宇宙の起源の研究及び宇宙における反物質消滅の理解を促す。この成果は2016年度国家自然科学賞1等賞を受賞した。退役するまで、同装置はニュートリノ振動幅の測量の精度を2012年の20%から3.4%に向上させた。データ分析完了後、最終的な精度は3%を上回る見通しだ。これは自然界の基本パラメータで、その正確な測量は重要な科学的価値を持つ。同装置中国側責任者で、中国科学院高能物理研究所所長の王貽芳氏は「大亜湾実験装置は科学目標を達成し、その科学研究成果もすでに予想以上に達しているため、退役を決定した。同装置は次世代大型ニュートリノ実験装置の建設の基礎を固めた。江門ニュートリノ実験装置は2022年の竣工を見込んでいる。将来的にニュートリノ質量階層性の謎を解くことに期待できる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年12月14日

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