2020年消費の注目点 「国潮」や健康消費が急増

人民網日本語版 2021年01月05日15:52

京東ビッグデータ研究院はこのほど、2020年10大消費注目点・贈答品消費ビッグデータを発表した。それによると、20年はタニシ麺などの「庶民的な消費」が起こり、おうち生活がキッチン用品の消費に火を付け、「国潮」(中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)が新たに流行したという。「北京日報」アプリが伝えた。

「庶民的な消費」が爆発、「国潮」が流行

新型コロナウイルス感染症の影響をうけて、多くの家庭に料理愛好家が誕生した。20年第1四半期(1-3月)にはノンオイルフライヤー、泡立て器、電気オーブンの販売量が3倍以上増加し、第2四半期(4-6月)はインスタントおかずシリーズの販売量が伸びた。

6月以降は、感染症の影響を受けて大型家電、家の内装、スキンケア化粧品などの消費が回復に向かった。多くのオフライン実店舗が営業を停止しして、深夜のネットショッピングが活発になった。注文が最も集中する時間は午後10時で、95後(1995年から1999年生まれ)は深夜0-2時により活発に買い物をした。0-5時に注文した女性ユーザーの数は昨年の1.5倍に増えた。男性と異なり、女性は眠れないと買い物に走ってしまう。

女性が購入する食品の中で、最も人気があったのは軽食界のネット有名人といえるタニシ麺で、20年の販売量は3倍以上増加した。ホワイトカラー、大学生、金融関係者、事業機関で働く人のタニシ麺購入量は昨年の3倍以上になった。20年には高齢者がネット通販にますます熱心になり、56歳以上のユーザーもタニシ麺を好んでおり、購入量は前年同期比321%以上も増加した。

広西壮(チワン)族自治区柳州市の特産品であるタニシ麺は「庶民的な消費」に火を付けた。そうして東北地域の米、安徽省の名茶・六安瓜片、広西自治区茘浦市のサトイモ、陝西省冨平県の干し柿など……原産地や農産品がネットの人気検索ワードになった。若いイケメンや奥様だけでなく、北京・上海・広州のホワイトカラーや金融関係者も「庶民的な消費」を楽しみ、20年はこうした人々の特産品取引額が昨年の1.5倍に増えた。

このほか、20年に最も大きなトレンドとなったのは「国潮」だ。さまざまな年代の消費者の中でも、特に95後の国産品消費の伸びが最高だった。職業別にみると、企業のホワイトカラー、事業機関で働く人の国産品取引額が最高で、高所得層の国産品消費も目に見えて増加した。地域別にみると、国産品消費の全体的な増加率は昨年を上回り、四線以下の都市の市場での増加率が最も高かった。小都市に暮らす2億3千万人の若者は、国産品を消費する若者たちの中で最もコアな層でもあり、小都市の95後の国産品取引額の増加率が最高だった。

健康消費が急増 95後のヘルスケア消費が倍増

20年には、中国国内の消費者の健康に対する考え方が全面的に向上し、病気になったら治療するという受け身の姿勢から、病気を予防し健康レベルを引き上げようとする主体的な姿勢へと変化した。若者は老化を予防し、高齢者は病気を予防するようになった。データをみると、95後のヘルスケア消費は2倍以上増加し、56歳以上のユーザーの免疫力を高めるための消費が昨年の2倍以上になった。

感染症の影響で、ネット消費モデルに慣れ親しんだ95後は家庭内での物品調達役を急速に担うようになり、各家庭ではペット、生鮮食品、衛生用品、ベビー・マタニティ用品などの消費が大きく増加した。安定した暮らしと経済力を備えた「前浪」世代のユーザー(46歳以上のユーザー)は、アウトドアグッズ、球技、ホームシアターなど暮らしを豊かにするための消費がサイト全体の平均を57%も上回り、自分のための消費という傾向がよりはっきりとうかがえた。

感染症はさまざまな消費の新形態の発展を加速させた。20年には数千万人のユーザーがオンラインでサービスを購入した。北京市と西蔵(チベット)自治区のユーザーが同じ専門家のオンライン診療を受けることが可能になった。オンライン妊娠・出産サポートサービスのユーザーは昨年の9倍以上に増え、スポーツ関連サービス、延長保証サービスのユーザーも100%以上増加した。オンライン予約、家事・クリーンキーバー、病院探しと薬に関する問い合わせ、自動車のメンテナンス、家電の修理……オンラインサービス消費の新スタイルは、ますます多くの消費者の新たなニーズに応えるようになった。

上海・天津・広東はジュエリーを好む 西部地域はスポーツ・アウトドアが人気

地域別にみると、20年の贈答品消費では、広東省、北京市、江蘇省が引き続き消費力の高いエリアで、全国の上位3位に並んだ。湖北省は下半期に購買力が目に見えて回復し、トップ10に再びランクインした。増加率をみると、南方の省(区・市)の増加率が軒並み高い。

だからといって、南方の人々が贈答品をより好むとは言えない。贈答品関連消費の占める割合をみると、全国で最も贈答品を送ることを好むのは東北地域と天津の消費者で、南方では広西自治区がかろうじてトップ5に入るだけだ。

贈答品の品目を細かく見ると、上海、天津、広東のユーザーはジュエリー関連の消費が全国平均(濃い色の点線)を大幅に上回る。医療・健康関連消費は引き続き一線・二線都市がリードする。全体として贈答品消費にははっきりとした地域的特色があり、たとえば西部地域のユーザーはスポーツ・アウトドア関連製品やスキンケア製品を送るのを好む。東部地域の消費者はぜいたく品、ジュエリーを送るのを好む。一方、江西省における景徳鎮の陶磁器の好調な売れ行きにより、同省の芸術品関連消費を全国トップに押し上げている。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年1月5日

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