年越し料理は外食企業にとって1年のうちでも最も重視する業務だ。ねずみ年の春節(旧正月、1月25日)には、新型コロナウイルス感染症が突如発生した影響により、外食企業はこれまでにないほどの年越し料理の相次ぐキャンセル、食材の滞貨、資金不足といった危機に見舞われた。それから1年間の起伏に富んだ道のりを経て、外食企業は今、年越し料理という伝統的業務の改革に乗り出している。「北京商報」が伝えた。
消費者の年越し料理に対する要求には新たな変化がみられる。年越し料理についてこのほど行われた調査では、有効な回答が1027件集まった。それによると、消費者は年越し料理ではコースを予約するという例年の習慣を改め、2020年はより柔軟なスタイルで予約するようになった。同時に、外食企業に年越し料理のキャンセル窓口を開設してほしいとする消費者の声が非常に多く、年越し料理のデリバリーや自宅に来てオーダーメイドで年越し料理を作るサービスを求める人もいる。分析によると、外食企業は春節シーズンに打ち出すオーダーメイドサービスについて、日常生活の中での常態化を実現し、派生サービスのシーンを通じて業務の裾野を広げる試みが可能だとしているという。
柔軟な予約を受け入れ
同調査では、消費者の年越し料理の予約に対するニーズ、変化、提案などさまざまな角度からスタートして、1027件の回答が集まった。データによると、回答者の23.27%が「レストランに行って年越し料理を食べる」と答え、そのときに最も重視するのはレストランの環境やサービスではなく、メニューの組み合わせや味だとした人が44.11%に上った。店で年越し料理を食べたいというニーズは引き続き旺盛で、店を選択するときは料理が最も重要な基準になっている。
感染症の影響で、今年は北京の外食企業が年越し料理業務の調整を進めている。多くの企業が予約方法とメニューの設定を調整し、例年のような年越し料理の食材が大量に滞貨する状況が改善される見込みだ。
年越し料理は時期が集中し、ニーズが大きく、レストランの生産能力にとっては極めて大きな試練となる。このため、外食企業は通常は事前に予約を受け付け、予約に基づいて材料を調達し、準備を進めて、来店した客に料理を提供できるようにしている。今年は例年と異なる柔軟な予約を試験的にスタートするのは、企業側が年越し料理の準備に取りかかる時間をできる限り遅らせ、難度がさらに上がり、消費者の飲食体験に影響を与える可能性があることを意味する。
潜在的な困難はあるが、回答した消費者は柔軟な予約という措置は受け入れ可能だとする人が多い。データをみると、回答者の40.12%が「完全に受け入れ可能。企業が感染症再発を予防するためにこうした調整を行ったことを評価する」と答え、39.34%が「受け入れ可能だが、企業には方法を考えてできる限りよい飲食体験を保証して欲しい」としたのに対し、17.53%が「受け入れられない、年越し料理は最良の体験でなければならない」とした。