三星堆遺跡から出土している象牙
三星堆遺跡祭祀エリアから、20日以降、新たな発掘成果が次々と発表されている。新たに見つかった6つの三星堆文化「祭祀坑」のうち、3号坑からすでに120本以上の象牙が見つかっている。同じく古蜀文明遺跡である金沙遺跡でも、2001年の発掘調査により、幾層にも重なり集中的に分布する象牙が見つかっていた。古代蜀王国の人々はなぜこれほど象牙を好んだのだろうか。中国新聞網が伝えた。
金沙遺跡から出土している象牙
三星堆遺跡と金沙遺跡を除いて、中国の別の地域の発掘調査でこれほど象牙が集中して見つかったことはない。専門家は都江堰の建設前に、成都平原で長期的に河川の氾濫による水害が発生していたと推測している。古代中国の方術には、象牙の「魔力」により水の神を退治する方法があった。そのため古代蜀王国の人々が象牙を祭祀に用いたのは、象牙に水中の妖怪を鎮める力があると考えられていたためと見られる。金沙遺跡で出土した肩扛象牙紋玉璋には、高い冠をかぶり、耳と頬が角張り、長い服を着て肩で象牙を担ぐ2人の姿が刻まれていた。この図案は三星堆の「祭山図」玉辺璋の図案に似ており、古代蜀王国の人々が象牙で祭祀を行った光景がはっきり描かれている。
三星堆は四川省広漢市三星堆鎮に位置し、成都平原の北部を流れる沱江の支流、湔江(鴨子河)の南岸にある。遺跡の分布面積は約12平方キロメートルで、中心エリアは面積約3.6平方キロメートルの三星堆古城。これは四川盆地で現在まで見つかっている遺跡のうち、夏・商の時代の最大規模かつ最大等級の中心遺跡となっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月23日