最近、穀物の国際価格が高騰して注目を集めている。中国人の「食卓」に影響するだろうか。中国新聞網アプリが伝えた。
穀物の国際価格が高騰
国連食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、2021年2月には、主要な穀物の国際価格が前年同期に比べて大幅に上昇し、コーリャンは82.1%上昇、トウモロコシは45.5%上昇、小麦は19.8%上昇した。
FAOが毎月発表する食糧価格の指標である食料価格指数は、21年2月は平均116.0ポイントで、前月比2.8ポイント(2.4%)上昇し、9ヶ月連続で上昇し、14年7月以来の最高を更新した。
複数の国で食料価格が軒並み上昇している。メディアが伝えたところによると、韓国ではネギの価格が同3倍以上上昇して、小売価格は1キログラム当たり平均7500韓国ウォン(約710円)となった。韓国人の食生活に欠かせないネギが手の届かないものになり、自宅の庭でネギを育てる人がどんどん増えている。
日本・東京の市場では、品不足で鶏卵の平均卸売価格が今年初めに比べて5割前後値上がりした。米国では2月にほぼすべての肉類の小売価格が前年同期に比べて上昇し、中でもハムと鶏肉は上昇幅が最大で16%を超えた。
穀物の国際価格の上昇は、中国の物価に影響しないだろうか。中国人の「食卓」の負担が増えないだろうか。
中国の国家統計局がまとめたデータでは、21年1月の全国消費者物価指数(CPI)は同0.3%低下、2月は0.2%低下、2ヶ月連続の低下となった。
食料価格をみると、1月は食品・タバコ・アルコール類価格は1.4%上昇し、そのうち穀物価格は1.6%上昇してCPIを約0.03ポイント引き上げた。2月の食品・タバコ・アルコール類価格は0.3%上昇し、そのうち穀物価格は1.4%上昇してCPIを約0.02ポイント引き上げた。
商務部(省)のモニタリングによると、3月8日から14日までの週には、全国の食用農産物の市場価格が前週に比べて0.8%低下した。
輸入型インフレが中国の「食卓」に影響?
穀物の国際価格が軒並み上昇すると、多くの国が相次いで「穀物袋の口」をきつく閉めるようになった。このことが中国に影響しないだろうか。
国家発展改革委員会価格モニタリングセンター総合業務処の劉剛処長はこのほどメディアに対して、「生産、流通及び新型コロナウイルス感染症など多方面の要因の影響により、今後の穀物の国際価格の状況には一定の不確実性がある。中国の穀物の安全保障は全体として安定した情勢で、穀物の国際価格上昇が中国市場に与える効果は相対的に限定的だ」と述べた。
なぜだろうか。中国の小麦、トウモロコシ、米の3大主食の穀物は自給率が非常に高く、輸入しなくても国内で供給不足に陥ることはないため、中国の穀物価格は世界の穀物価格の影響をそれほど受けないのだといえる。
データを見ると、中国の穀物輸入は大豆や雑穀などの飼料穀物が中心で、全国の消費量に占める輸入の割合は米が1%、小麦が2%に過ぎず、主に品種交換や品種調整のために使われている。全国には、都市部・農村部住民の1年間の消費量にほぼ相当するもみ米と小麦のストックがある。
統計局の劉愛華報道官は今月15日、「今後しばらくの間の食料価格について言えば、現在は穀物と主要農産物は十分な供給があり、価格は比較的安定した情勢が続くだろう」と述べた。
21年の政府活動報告で提起された物価目標は3%前後で、20年の目標値より0.5ポイント引き下げられた。国務院研究室党組織メンバーの孫国君氏はこのほど国務院新聞弁公室で行なわれたブリーフィングで、「昨年の目標より引き下げられたのは、政府にCPIを相対的に低い水準で抑制する自信があることを物語る」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月25日