観光客の張奥さんは、浙江省杭州市余杭区鸕鳥鎮の心安らかな田園生活に引きつけられた。ここの便利なサービスも印象的だった。彼女はネットで民宿に予約を入れた。「身分証をかざし30秒でチェックインが終わった」と張さん。
「携帯電話を操作し、仮想現実(VR)で風景を観賞し、手のひらでナビを操り、オンラインで予約を入れるといったワンストップ型のサービスが楽に実現できる」。鸕鳥鎮の郭健鎮長によると、鸕鳥鎮は今年「杭州シティブレイン・余杭プラットフォーム」を利用し、「デジタルスマート観光」を構築した。
鸕鳥鎮のみならず、浙江省の各地は美しい風景とデジタル化改革の成果を利用し、農村観光を盛り上げ各地の観光客を迎えている。平らで整然とした道路、清潔な村の外観、整った施設、行き届いたサービス――浙江省の農村はなぜこれほど魅力的なのだろうか。
2003年に始まる「千村モデル、万村改善」プロジェクトは、浙江省の農村の生態環境を改善し、農民の生活の質を高める大行動を開始した。18年の努力により、現在の多くの美しい農村が誕生した。
浙江省の1人平均可処分所得は昨年、初めて5万元(1元は約16.7円)台に乗った。うち都市部住民の所得は20年連続で、農村部住民の所得は36年連続で各省(自治区)の首位となっている。浙江省の都市部・農村部住民の所得格差は1.96:1に縮小した。住民の高い所得水準、都市部の所得格差の縮小は、浙江省の発展の大きな見所になっている。
第14次五カ年計画及び2035年までの長期目標綱要は、浙江省の共同富裕モデル村の質の高い発展と建設を支持すると打ち出した。
浙江省政府は、質の高い発展をしっかりと推進し、労働生産性を高め、社会全体の富の総量を持続的に拡大すると打ち出した。地方立法レベルで「浙江省民間企業発展促進条例」を発表するとともに、融資円滑化プロジェクト、小規模・零細企業3カ年成長計画、隠れたチャンピオンや特定分野チャンピオンを養成する「雛鷹行動」など、一連の企業に恩恵をもたらす画期的な政策を実施した。
「パイ」を大きくした上で、浙江省はパイの切り分け方をより重視し、健全な「先に富める者が後発者をけん引」メカニズムを構築し完全なものにしている。所得分配の質を高め、都市部・農村部の格差、所得の格差、地域の格差を絶えず縮小している。一方で、浙江省は後発開発途上地域の支援を急ぎ、地域協調発展を促進している。
企画の作成、プラットフォームの構築、注文の受け取り・出荷、梱包・配送――浙江省紹興市上虞区の職員は最近、ペアリング支援先の麗水市景寧畲族(シェ族)自治県の村人のため、はちみつの新たな販路を切り開いているところだ。景寧シェ族自治県家地郷村の村人の葉娟栄さんは「上虞区は私たちのためにオンライン販売プラットフォームを構築してくれただけでなく、景寧の特産品が上虞区の各大型スーパーの貧困者支援特別コーナーと農産物卸売市場にも並んだ。上虞区の支援を受け、私が代理販売する農産物の売上は今年すでに50万元近くにのぼっている」と述べた。
質の高い発展に伴い、共同富裕モデル区の建設が絶えず進んでいる。浙江省は、中国の特色ある社会主義制度の優位性を新時代に全面的に示す重要な窓口を構築するよう取り組んでいる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年4月12日