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米経済誌「フォーブス」は現地時間6日、第35期世界長者番付を発表した。それによると、世界は今もなお新型コロナウイルス感染症によって大きく混乱し、経済が低迷しているという状況にあるが、世界の富豪たちの総資産は過去1年間で8兆ドル(1ドルは約109.7円)以上増加した。2021年には世界の億万長者の数は2755人に達し、過去最高を更新した。この長者たちのうち、493人が初めて番付に載った人たちで、中国と米国の寄与が最も大きかった。「環球時報」が伝えた。
巨額の資産が驚異的スピードで増加
米ABCテレビは7日、「2021年3月現在、世界の億万長者の資産総額は約13兆1千億ドルに達し、昨年の番付発表時の5兆ドルを大幅に上回った」と伝えた。同誌のケリー・ドーラン副編集長はコメントを発表し、「多くの面で今年は記録破りの1年となった。新たに番付入りを果たした長者の数がこれまでのどの年よりも多く、世界の億万長者の数もこれまでより多かった。また、世界の億万長者の純資産が初めて10兆ドルの大台に到達した年でもある。巨額の資産が生み出されたそのスピードは驚異的だった」と述べた。
今年の番付では、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の純資産が1770億ドルで、4年連続で首位に立った。テスラのイーロン・マスクCEOは1510億ドルで、昨年の31位から大幅に順位を上げて、今年は2位になった。トップ5を見ると、フランスのラグジュアリーブランドグループのLVMHのベルナール・アルノー会長は1500億ドルで3位、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏が1240億ドルで4位、フェイスブックの創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は970億ドルで5位だった。米紙「ワシントン・ポスト」は報道の中で、「過去1年間にテクノロジー企業の株価が大幅に上昇したことが、番付トップに並んだ長者たちを支えた重要な要因だ」と強調した。
今年、長者番付入りを果たしたのは、中国が745人、米国が724人で、中国が初めて米国を抜いた。都市別にみると、北京の人数がニューヨークを抜いて世界一になった。アジア太平洋地域から番付入りを果たした1149人の総資産は4兆7千億ドル、米国の長者の総資産は4兆4千億ドルだった。中国の長者でトップ20に入ったのはわずか2人だけで、農夫山泉の創業者の鍾■■(■は目へんに炎)氏が13位、騰訊(テンセント)の馬化騰氏が15位だった。このほか今年初めて番付に入った長者は過去最多の493人で、10億ドル以上の資産を擁するビリオネアが17時間に1人、新たに誕生した計算になる。新たにビリオネアとなったのは、中国の大陸部と香港地区が210人、米国が98人で、中米両国が新たなビリオネアを最も多く生み出した2大国にもなっている。
中国のインターネット大手が米国に追いつき追い越す
「フォーブス」は、「番付では米国のテクノロジー関連の長者の人数が最多だが、中国の急速に発展するインターネット業界が次世代のテクノロジー大手を生み出し、米国の覇権的地位を脅かしつつある。中国の資本市場改革は上場をより容易にし、中国の資産増加の一助となった。中国のテクノロジー分野で世界をリードしようとして重ねてきた努力が、新たな資産も生み出した。と同時に、ホームヘルスケアなどの産業がもつ『富を生み出す』強い力も中国の消費高度化のトレンドを反映している」と強調した。
また感染症流行中の中国経済の動きは世界の大部分の国よりも好調で、その上こうした流れは今年も続き、このことが中国の資本市場を力強く後押しするとみられている。中国医療業界は世界中に感染症と闘うための物資を提供し、新たに誕生した中国大陸部の億万長者のうち、10%以上が医療業界の関係者だった。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年4月9日