中国科学技術大学が8日に明らかにしたところによると、同大の潘建偉院士のチームはこのほど、超伝導量子ビット数が現在世界最多の量子コンピュータのプロトタイプ「祖沖之号」の開発に成功した。操作する超伝導量子ビットは62にのぼり、これを踏まえた上でプログラミング可能な2次元量子ウォークを実現した。国際的に権威ある学術誌「サイエンス」がこのほど同研究成果を発表した。新華社が伝えた。
量子コンピュータは現在、世界の科学技術の最先端にある重要課題の一つで、すでに各国の競争の焦点になっている。量子コンピュータは原理上、非常に高い並列計算能力を持ち、特定アルゴリズムにより暗号解読、ビッグデータ最適化、天気予報、材料設計、薬品分析などの分野で従来のコンピューターと比べると指数関数的にスピードアップする。
国際学術界の量子計算研究には複数の技術ロードマップがあるが、超伝導量子計算はそのうち最も期待されている候補の一つだ。その中核的な研究目標は、操作可能な量子ビット数を増やすとともに、操作の精度を高めることで最終的に実際の問題への応用を目指す。
同成果は超伝導量子システムで量子超越性を実現し、今後の重大な実用価値を持つ量子計算の研究に向けた技術の基礎を固めた。また「祖沖之号」に基づく2次元のプログラミング可能な量子ウォークは、量子検索アルゴリズム、汎用量子計算などの分野で潜在的な応用可能性を持ち、今後の重要な発展方向でもある。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年5月10日