太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーで作る電解水を使い「グリーン」な水素エネルギーを生成し、そして二酸化炭素(CO2)に水素を加えることで「グリーン」なメタノールなどの液体燃料に転化する。これは「液体太陽」と分かりやすく呼ばれている。蘭州新区石化産業投資集団有限公司の姜錦社長はこのほど取材に対し、ある画期的な技術について説明した。科技日報が伝えた。
蘭州新区の北西部に位置するグリーン化学工業パークは、土地がなだらかで開けており、風通しが良く、自然の山に囲まれており、化学工業の産業発展にとって優位性となる条件を元々備えている。
パーク内の「液体太陽燃料合成モデルプロジェクト」は、中国科学院大連化学物理研究所の李燦院士が、中国のエネルギーと生態環境の現状に基づき西部地域で先駆けた試行を展開するプロジェクトで、世界初の規模化(1000トン級)合成グリーンメタノール実証装置だ。姜氏は「プロジェクトの意義は、再生可能エネルギーからグリーンな液体燃料であるメタノールの生産に至る新たなルートを提供したことにある」と述べた。
「液体太陽燃料合成モデルプロジェクト」は、太陽光発電、電解水による水素生成、CO2+水素によるメタノールの合成という3つの基本技術ユニットからなっている。他にも総出力が10MWの太陽光発電所を建設し、電解水による水素生成装置に電力を提供している。プロジェクトの総敷地面積は約19.3ヘクタール、投資総額は約1億4000万元(1元は約17.2円)。うち太陽光発電の敷地面積は17.3ヘクタール、投資額は5000万元。同プロジェクトは中国の再生可能エネルギーの発展、中国のエネルギー安全問題の緩和、さらには世界の生態バランスの改善に対して重大な戦略的意義を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月10日