メタンハイドレート実用化まで、あとどれくらい?

人民網日本語版 2021年07月17日08:56

中国海洋石油集団有限公司研究総院は15日、国家重点研究開発計画「海洋メタンハイドレート試験採掘技術と工程」プロジェクトが支持する「国産独自のメタンハイドレート掘削・井戸検層技術装備の海上試験任務」が、南中国海の海域で順調に新たな海上試験作業を完了したと発表した。これは中国の海洋メタンハイドレート掘削・井戸検層技術の重大な進展だ。

同院技術研究開発センターのチーフプロセスエンジニアである李清平氏によると、メタンハイドレートは中国で主に南中国海の水深300メートル以下の海底にある。水深が深く、埋蔵が浅いといった特徴がある。水深が深いということは、探査・開発作業の難易度が高いことを意味する。埋蔵が浅いということは、ガス噴出孔、崩壊、浅層ガスなどに遭遇しやすいリスクを意味する。さらに埋蔵層の続成作用が弱く、非均質性が高いといった特殊な難題が加わり、探査・開発技術に数多くの課題を突きつける。

李氏は「中国は実施した海洋メタンハイドレートの掘削とサンプリングも、主に海外設備に依存していた。今回の海上試験作業はこの状況を変えたかった。国産深水技術装備の信頼性を検証し、メタンハイドレート技術装備の国産化に向けた貴重な経験を汲み取った」と述べた。

中国工程院の周守為院士は、「今回の海上試験の成功により中国海洋石油集団は船舶・掘削・井戸検層・コア取得・オンライン分析と検査のフルセットの国産化技術水準と全プロセスの作業能力を備えた。これにより、中国は世界で3番目に独自に同技術を確立した国になった。中国の海洋メタンハイドレート掘削・井戸検層技術は、独自国産化の新時代を迎えた」との見方を示した。

それでは、メタンハイドレートの実用化まであとどれくらいだろうか。李氏は「メタンハイドレートの開発利用は、基礎理論の研究と工学技術の研究開発の長い過程を踏まえなければならない。メタンハイドレートの掘削が技術的・経済的に可能にするために、工学技術の研究開発はさらに、模索的な試験掘削、試験的な試験掘削、プレ生産、先導試験、実用化などいくつかの段階に大まかに分かれる」と述べた。

「現在は第2、第3段階の間にある」。李氏によると、実用化の時期は現時点で2028−30年の間と考えている。この時期に試験エリアを建設し、実用化の手段と規模を模索することになる。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年7月16日

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