西洋諸国は新疆維吾爾(ウイグル)自治区に「強制労働」というレッテル貼っているが、同自治区の綿花栽培や太陽光発電産業には、本当に「強制労働」が存在しているのだろうか?各民族の綿花農家や作業員はどんな生活を送っているのだろう?人民網が報じた。
「今の私は農民らしく見えないよね?」
5月下旬、庫爾勒(コクラ)市尉犁(ロプノール)県の綿花畑は日差しが強く、目を開けているのがつらくなるほどの眩しさだった。そんな中、トゥユフン・ゴジさんの綿花畑では、ドローンが農薬を散布していた。
「畑を耕すのに使う馬力が強いトラクターは衛星測位システムを使った自動運転。2日後には水やりを始める。スイッチを押すだけで、パイプから水が出てきて、水と肥料を一緒にまくことができる。9月の収穫の時には、綿摘み機を使うため、うちの場合は1日か2日もあれば終わる」と、一人で約13.33ヘクタールの綿花畑を管理するトゥユフンさんは余裕に満ちた表情でそう語った。
トゥユフンさんの家の庭には、ブドウ棚が青々とした葉を茂らせており、とても快適な環境だ。2015年に綿花栽培が機械化され、生活がどのように変わったかについて、トゥユフンさんは、「人が農作業をしていたあの頃は負担が大きかった。でも今の私は農民らしく見えないよね?」と感慨深げに語る。
綿花畑の上を飛ぶドローンを見るトゥユフンさん(写真左、撮影・劉寧)。
トゥユフンさんの綿花栽培による年収は約20万元(1元は約17円)だ。農作業から解放されたトゥユフンさんは2018年に民宿を開き、「お客さんからは『ランボー』というあだ名で呼ばれている」と話す。確かに、鼻が高く、顔の彫りが深く、がっちりした体格のトゥユフンさんは、米国のアクション映画の主人公・ランボーに似ている。
綿花産業は新疆ウイグル自治区の支柱産業だ。同自治区の農家の約50%は、綿花の生産に従事している。トゥユフンさんの隣人であるアヒマデイ·アブリミットさんも綿花農家で、20年前に綿花の栽培を始めた。綿花畑の広さは約32.73ヘクタールだ。2014年、エメットさんも綿花栽培の機械化に着手し、2020年には、土地を下請けに出した。
「1ヘクタール当たりの賃貸料だけでも4500元の収入がある」と話すアヒマデイさんは、暇を持て余すことなく、羊約400頭を飼育して、小さな飼育場を営むほか、約4ヘクタールの香梨(ナシ)園を下請けで営み、それに綿花畑の収入を加えると、年収は約30万元になるという。妻のシャニイェム・エメットさんも微信(WeChat)を利用して化粧品を販売しており、「私はオシャレが大好き。今はオシャレに使える時間が増えたわ」と喜ぶ。
自宅のソファーに座るアヒマデイさん夫婦(撮影・寇傑)。
アヒマデイさんの庭に設置されたバルコニー。撮影:徐祥麗
綿花栽培で最も重要な作業は収穫だ。毎年9月下旬になると、コットンボールと呼ばれる実がはじけ、フカフカの白い綿が出てくる。機械化される前、アヒマデイさんは毎年、市場にいって収穫作業員を雇っていた。綿花を収穫する作業員は、地元の人もいれば、四川省などからやって来た人もいた。「日給は一人当たり300-400元。35-40日作業してもらっていた。月収は1万元以上になり、食事も宿舎も提供していた。お金をたくさん稼げるため、みんな喜んで来ていてので、作業員探しに苦労することはなかった。電話番号を控えておいて、翌年もまた来るという作業員が多かった」とアヒマデイさん。
「こんなに素晴らしい新疆の綿花を使わない手はない」
今では、綿花の収穫作業をする人は少なくなった。その理由には、人件費が高いことのほか、機械化が進んでいるからだ。2020年、新疆ウイグル自治区の綿花の生産量は516万1000トンに達し、中国全土の綿花生産量の87.3%を占めた。これらの綿花のうち70%が機械で収穫された。
「この畝を見てごらん。北斗衛星測位システムを使った播種機で種をまいた畝だよ。真っ直ぐになってるでしょ!」。
「あそこにある建物を見たでしょ。あれはポンプ小屋で、スイッチ一つで水を畑に供給することができるんだ」。
「収穫には綿摘み機を使い、約6ヘクタールの畑なら4-5時間で終わる。綿摘み機を営む業者があるから、安くてサービスのいい業者を選んでいる」。
畑を耕し、除草し、農薬を散布し、水をやり、収穫するまでの全ての過程を説明する際、「機械」という言葉が、侯雪東さんの口から度々出てきた。
侯さんは、石河子新疆生産建設兵団8師143団の職員で、約6.13ヘクタールの綿花畑で綿花を栽培している。ざっと見積もって、年間約40トンの綿花を販売しているといい、昨年の市場価格は1キロ当たり7元1角から7元3角ほどだったので、1ヘクタール当たり2万2500元ほどの純収入があった計算になる。「昨年は豊作だった。雨量が極端に少ないと、綿花は大豊作になる」という。
侯さんの綿花畑には、大きなドローンがあり、農薬の入ったタンクが搭載され、泥が付いたボディからは黒いノズルが足のように伸びており、まるで大きなクモのような見た目をしている。