ライブコマースで商品がものすごい勢いで売れ、人気検索ワードに登場するとその情報がインターネットで拡散される。最近、スポーツウェアブランドの鴻星爾克(HONGXING ERKE)の人気に火がつき、多くの人が「鴻星爾克――To be NO.1」という を改めて頭に思い浮かべた。中国新聞網が伝えた。
「鴻星爾克の微博での話題を見て気の毒になった」
鴻星爾克は21日に公式微博(ウェイボー)で、「鄭州慈善総会と壹基金を通じて、(豪雨被害の出ている)河南省の被災地に5千万元(1元は約17.0円)の緊急支援物資を送った」ことを明らかにした。
すると鴻星爾克も予想していなかったことだが、この寄付によって鴻星爾克がたちまち人気者になった。
ネットユーザーによると、「鴻星爾克は2020年に巨額の赤字を出しながら、5千万元の緊急支援を被災地に送った」という。メディアの報道では、鴻星爾克の18年の損失額は2億9800万元と巨額で、19年は295万8千元に減ったもののまだ損失は出ており、20年の決算はまだ発表されておらず、20年上半期の財務データしかないが、それも60万元の赤字だという。
こうした情報がインターネットで次々に伝えられると、ネットユーザーから、「鴻星爾克は倒産しそうなのにこんなにたくさん寄付している」、「PRをしたほうがいいじゃないか、こっちが心配になる」、「みんなで鴻星爾克を応援してネットの人気検索ランキングに入れよう」といったコメントが続々寄せられた。
ネットユーザーの願い通り、「鴻星爾克の微博での話題を見て気の毒になった」が微博の人気検索ランキングで1位になった。現在、この話題の閲覧件数は9億4千万件を超えている。同時に、関連の話題がショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」や「今日頭条」、「百度(バイドゥ)」などのネットプラットフォームでも大量に転載された。
原稿執筆時点で、鴻星爾克が明らかにした支援のニュースは微博で982万回転載され、トップクラスのスターにも匹敵する人気だ。ネットユーザーは、「別の微博の人気の話題からこのことを知った。企業としての鴻星が控えめ過ぎたので心配になる」とコメントした。
鴻星爾克社長「理性的な消費をして」 消費者「非理性的な消費をする」
鴻星爾克を支援するため、鴻星の天猫(Tmall)旗艦店のライブコマースには買い物しようとする大勢の人がつめかけている。これまでの視聴者は1万人足らずだったのが、今月22日に延べ人数が200万人を超え、商品が紹介されるたびに売れていく状態だ。ネットユーザーが情報を次々転送し、「いいね」を送り、コメントをし、「一番高い商品をアップして」と呼びかける。現在、このライブコマースの登録者は1千万人に達したという。
鴻星爾克のTikTokなどのプラットフォームでのライブコマースもにも大勢のネットユーザーや消費者が集まる。23日のTikTokでのライブコマースでは、最大同時接続視聴者数が10万人を突破し、同日午後5時の時点で累計視聴者数は1400万人を超え、1回のライブコマースで集めた「いいね」は1億5千万個を超えた。
注目されるのは、ここ数日、鴻星爾克の各プラットフォームの配信パーソナリティが「ネットユーザーのみなさん、理性的な消費を」、「社長も理性的な消費をしてくださいと言っています」などと呼びかけていることだ。また視聴者に「投げ銭」を送らないように、ハンガーマーケティングにならないようにとも呼びかけている。