2020年東京五輪はこれまでの歴史で初めて開催が延期された五輪となった。スポンサー企業は延期を受けて相当の経済損失を被っただけでなく、くるくる変わる政策に「すっかり混乱する」しかなかった。
東京五輪で阿里巴巴(アリババ)は、最上位のワールドワイドオリンピックパートナー(TOPスポンサー)で唯一の中国スポンサーとなった。一方で、凱撒旅遊は東京五輪の中国オリンピック委員会(COC)公式チケット業務サービス取扱機関及び受入サービスサプライヤーであり、COC管轄エリアの独占チケット業務代理機関でもある。そして、快手はこのほど、東京五輪の独占放送権を獲得した。
アリババが「頑張ろう連盟」をスタート
20年東京五輪スポンサーの顔ぶれはかつてなく豪華だ。国際オリンピック委員会(IOC)がこのほど正式に発表したところによれば、19年の東京五輪のスポンサー収入は31億ドル(1ドルは約110.4円)に上り、歴代の夏季五輪のほぼ3倍の数字になった。
TOPスポンサーのうち唯一の中国スポンサーになったアリババは、今回の東京五輪に関してどのようなマーケティングプランを立てたのか。アリババの関係責任者は10日、「アリババは五輪のワールドワイドオリンピックパートナーとして、今年5月14日に五輪マーケティングの『頑張ろう連盟』プランをスタートしており、天猫(Tmall)、聚劃算、淘宝直播(タオバオライブ)の3大業務をエンジンとして、五輪マーケティングをサポートする」と述べた。
アリババ傘下の淘宝(タオバオ)、天猫、聚劃算、考拉海購などのECプラットフォームを調査した結果、現時点で、公式サイトにはまだ東京五輪関連のPR文が出ていないことが分かった。天猫「オリンピック公式旗艦店」では東京五輪の公式グッズがいろいろ販売されているが、売上は芳しくない。
アリババは現在、東京でどのような業務の準備をしているのだろうか。前出の関係責任者は、「今回の東京五輪では、阿里雲(アリクラウド)が協力する部分が重要業務で、これにはクラウド中継局とCLOUD PIN(アリババ五輪クラウドロゴマーク)が含まれる。CLOUD PINは7月18日に正式に発表される。22日にはIOCのバッハ会長が東京ビッグサイトでの発表イベントに出席する予定だ」と述べた。
凱撒旅遊「チケット払い戻し中」
その一方で、東京五輪の中国オリンピック委員会(COC)公式チケット業務サービス取扱機関であり、受入サービスサプライヤーの凱撒旅遊は大きな「痛手」を受けた。
今年3月20日、日本はIOCと国際パラリンピック委員会(IPC)に対し、世界的に新型コロナウイルス感染症が大流行しているため、東京五輪・パラは海外からの観客を受け入れない決定をしたと通知した。