四川省成都市天府広場の真下にある天府広場地下鉄駅は6日午前、普段よりも忙しい様子だった。駅構内で四川省第二中医病院の医療従事者が、6日連続で地下鉄駅員に新型コロナウイルス感染症を予防する中医薬「大鍋湯」を配布し、作業現場での感染症との戦いを応援していた。科技日報が伝えた。
四川省中医薬管理局が7月28日に「四川省新型コロナウイルス中医薬予防提案プラン」を発表してから、四川省第二中医病院や成都市成華区中医薬病院などは異なる対象者向けの予防プランに的を絞り、同プランの調合法に基づき市民らに大鍋湯や中医薬の入った香嚢を提供してきた。
新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染が中国で持続的に拡大していることを受け、中医薬の防疫の力が再び浮き彫りになっている。実際に中国の歴史における複数の感染対策では、中国医学の姿が見られた。
デルタ株が猛威を振るうなか、四川省の複数の中国医学機関は駅、空港、商業施設などの人が密集する場所で大鍋湯を提供するのは、感染対策における斬新な措置であることは間違いない。
温病学の専門家で、成都中医薬大学の馮全生教授は、「張伯礼院士は中医薬による新型コロナウイルスとの戦いの基本的な経験を総括した際に、4種類の人を隔離し、中医薬湯を飲むと述べた。ここの中医薬湯とは大鍋湯のことだ。大鍋湯は中国医学の『通治方』を利用した感染対策の効果的な手段だ」と述べた。
馮氏は、「今回の新型コロナウイルスが発生した後、複数の地域で大鍋湯の方法により感染対策を行っているのは、「通治方」による感染症との戦いの成果の現れだ」との見方を示す。
デルタ株が中国で発生した後、中国・西洋医学の協同作戦に目立つ成果が上がった。成都市公衆衛生臨床医療センターが収容・治療するデルタ株感染者に対して、中国・西洋医学が連携するプランで治療を行ったところ、患者は急速に熱が引き臨床症状が緩和されたという。
馮氏は「中国で記録されている感染症の流行は、紀元前674年のコレラにさかのぼることができ、アヘン戦争まで感染症が少なくとも500回流行していた。感染症との長期的な戦いにおいて、中国医学の発展と向上が続き、自ら疫病を認識する理論体制を形成し、貴重な感染症対策の経験を蓄積した」と述べた。
馮氏は「中医薬の数千年にわたる疫病との戦いの歴史は、どの病原体による感染症であっても、中医薬は患者の症状と体質に基づき認識・治療できることを物語っている。中医薬の深い介入に伴い、新型コロナウイルス患者の治療において独自の強みと役割を発揮することができる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月9日