国家林業草原局アジアゾウ研究センターの責任者は今回のアジアゾウの群れの北上について、中国の野生動物保護の縮図に過ぎず、アジアゾウ保護の成果と現状の客観的反映でもあると述べた。 調査とモニタリングの結果、雲南省のアジアゾウの個体群は近年、3つの明らかな変化を見せている。中国中央テレビが伝えた。
第1に、個体群の拡散。1990年代半ばには、アジアゾウはシーサンパンナ(西双版納)と南滚河の両国立自然保護区のみに分布していた。 2020年末には、アジアゾウの長期活動範囲は、すでに雲南省の3州・市の11県・市・区、55郷・鎮にまで拡大し、自然保護区外での行動も多くなっており、今年は長距離の北上も見られた。現在のアジアゾウ分布の動態的変化においては、個体群の拡散と北上が大きな傾向となっている。
第2に、個体数の持続的増加。国家林業草原局アジアゾウ研究センター長の陳飛氏によると、多くの努力によって、1980~90年代に150頭余りだった雲南省のアジアゾウは、今日では約300頭にまで増加し、個体群の数が倍増した。この面だけで言えば、これは中国の野生動物保護の成果の縮図であり、一種の現れでもある。
第3に、習性の変化。全面的禁猟措置の実施によって、アジアゾウにとって人間の脅威はなくなり、そして人間を恐れなくなり、人間の近くで活動するようになった。頻繁に田畑や村に入って食べ物を得るようになり、食性に変化が生じた。
陳氏は「アジアゾウの保護と安全に対する備えはシステマティックなものであり、すでに国はアジアゾウを主要保護対象とする国立公園の建設を議事日程に組み入れており、現在の生息範囲の整理統合・最適化を通じて、統一的な保護管理システムを構築し、アジアゾウの保護と安全に対する備えの水準をさらに高めていく」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月11日