まだ8月なのにクリスマス用品が既に売り切れ?

人民網日本語版 2021年08月16日16:41

浙江省の義烏市は、世界最大のクリスマス用品の集散地で、例年ならちょうど今頃がクリスマス用品仕入れのピークとなる。しかし、先ごろ同市場を取材したところ、バイヤーの姿はほとんどなかった。なぜそのような状態になっているのだろうか?中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが報じた。

クリスマス用品の仕入れが2-3ヶ月前倒し 人気商品はほぼ売り切れ

義烏国際商貿城のクリスマス用品エリアに足を運ぶと、浙江省寧波市から来たバイヤー・張俊さんがクリスマス用品を仕入れ、ロシアやインドに発送する準備をしていた。しかし、人気商品はほとんど在庫がなくなっており、店側から、「今年は2-3月から、各地のバイヤーから注文が入っていた。仕入れのピークが例年より早く到来した」と説明されていた。

商貿城で店を構える蘇雪琴さんも、「昨年より2-3ヶ月早く売れ始めた。去年は、クライアントは5-6月に仕入れに来ていたけど、今年は2-3月だった。今年の5月と6月の1ヶ月当たりの売上高は大体800万-1000万元(1元は約16.9円)に達した」と説明した。

義烏市は世界最大のクリスマス用品集散地で、世界のクリスマス用品の3分の2がここで仕入れられ、世界各地へ運ばれていく。例年なら8月がクリスマス用品の書き入れ時となるはずなのに、今年はバイヤーの姿はまばらで、人気商品の多くは既に売り切れとなっていた。クリスマス用品の仕入れのピークが前倒しで到来し、義烏だけでなく、寧波市などクリスマス用品の主な輸出通関地でも、第2四半期(4-6月)にはクリスマス用品の輸出のピークを迎えた。

輸送力不足の深刻化と運賃の高騰も要因

西洋の伝統イベントであるクリスマスまでまだ4ヶ月ほどあるものの、クリスマス用品の仕入れは既に「終盤」を迎えている。貿易企業が仕入れの時期を大幅に前倒したのはなぜなのだろう?

取材の結果、新型コロナウイルスの影響で、海外では港の作業員が不足したり、港での通関に時間がかかったり、船が運休になったりしており、船舶の回転効率が悪くなり、需要と供給のバランスが大きく崩れていることが分かった。昨年の第3四半期(7-9月)と第4四半期(10-12月)から、商品を輸送する船の確保が難しくなり、今でもその状況が改善されておらず、輸送力不足が深刻化しているという。

クリスマス用品というのは季節商品で、特定の時期を過ぎると全く売れなくなってしまう。そのため、海外のクライアントや中国国内外の貿易企業は早目に準備を始め、例年よりも前倒しで仕入れて発送したのだ 。

時間との競争だけでなく、貿易企業は輸送費も考慮しなければならない。新型コロナウイルスの影響で、海外への輸送費は右肩上がりとなっている。ここ数日のバルチック海運指数(BDI)を見ると、中国から米国東部へのコンテナ運賃は40フィート当たり2万ドル(1ドルは約109.2円)と、前年同期比で500%増となっている。その他、8月13日に発表されたスポット取引を示す上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は4281.53ポイントと、過去最高をさらに更新。昨年の最も低かったポイントと比べると、400%以上の上昇となっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年8月16日

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