80歳以上の高齢者に無料開放されている「シルバー食堂」 山東省淄博市

人民網日本語版 2021年08月16日14:24

毎日正午になると、山東省淄博市桓台県黄郭村にある「シルバー食堂」では、時間通りに食事が始まる。耿子美さん(86)は、ボランティアの何晋良さんに海苔入り卵スープや野菜炒め、タマネギと肉の炒め物をお皿に取ってもらっていた。人民網が報じた。

「無料で食事ができる。魚も肉も食べられるし、ボランティアの人も親切」。取り分けてもらったおかずを見ながら、耿さんは満足そうに語った。

耿子美さん。撮影:黄卓越

耿さんには息子と娘がいるものの、仕事の都合で普段はほとんど一緒に過ごすことができない。1日に1食しか食べないという耿さんは、「シルバー食堂」ができてから、食事のことで頭を悩ませることはなくなったという。

「シルバー食堂」は、淄博市が全面的に推進する公益性食堂で、その資金は寄付や県の財政からの補助で賄われている。

高齢者に料理を配るボランティア。撮影:黄卓越

黄郭村に住む60-79歳の高齢者は、「シルバー食堂」に来れば1食に付き3元(1元は約17円)の補助を県から受けることができるため、4元で昼食を食べることができる。80歳以上の高齢者なら無料になる。同食堂では現在、1日に65人の高齢者が食事をしている。足の不自由な高齢者の場合、家族や親せきが食事を取りに来ることもできる。

「夫は早くに亡くなってしまい、私は独り身」と話す何会蘭さん(81)は以前、肉を買ったり、料理を作って食べたりするのはもったいないと感じて、ずっと一人で寂しくマントウ(中国式蒸しパン)と漬物ばかり食べていたという。しかし、今では食堂で肉も食べることができ、マントウに至っては食べ放題。他の高齢者と一緒に食事もでき、「料理はとてもおいしい」と満面の笑みで話した。

窓から光が入り明るい食堂のキッチンには、換気扇や調理用の鍋、殺菌ボックス、調理済み食品用ケースなどがある。また、壁には高齢者の書道作品が飾られているほか、液晶テレビもある。

食事をする高齢者ら。撮影:黄卓越

その他、食堂はオンラインとオフラインによるスマート管理も行っている。管理処は、村に住む全ての高齢者の情報をオンラインにアップしている。高齢者は食事をする前にまず業務処に行って顔認証システムで受付を済ませる仕組みになっているし、スタッフのほうも食事に来る高齢者や人数を定期的にチェックして、来ていない人がいないかを確認している。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年8月16日

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