中国で最も長い編成の列車を見たことがあるだろうか?中国で最も重要な重量貨物列車専用路線である大秦線は、石炭の生産地である山西省大同市と渤海の沿海都市である河北省秦皇島市を結ぶ全長653キロの路線。西部の石炭を東部に送る「西煤東運」事業と北部の石炭を南部に送る「北煤南運」事業の大動脈を担っている。その列車編成の長さは約2.6キロで、1万6800トンの石炭を輸送することができる。
石炭だけを輸送する重量貨物列車
大秦線は、中国で初の重量貨物石炭専用路線であるほか、中国初の石炭を輸送する複線電化路線だ。また、中国で最も近代的な貨物専用路線でもある。
重量貨物石炭専用路線という名の通り、同路線では1万トン級の重量貨物列車が走るほか、石炭だけを輸送する路線で、その他の貨物は輸送せず、旅客列車の運行もしていない。
そのため、大秦線を走る列車は固定の編成で、大同を出発して、秦皇島の港で石炭を降ろし、空車で大同へと戻る循環輸送が行われている。
輸送量最多など世界記録を次々塗り替える
大秦線は、平均して12分に1本の重量貨物列車を運行しており、輸送する石炭の総量は年間4億5000万トンに達する。世界で最も運行密度が高く、最も輸送量が多く、輸送量の増加幅が最も大きく、輸送効率が最も高いなど、数々の世界記録をたたき出す重量貨物列車路線となっている。
大秦線を走る重量貨物列車の編成の長さは最長で約2614.3メートルで、1万6800トンの石炭を輸送することができる。この非常に長い編成の重量貨物列車が架け橋やトンネルを通過したり、S字カーブを通過したりしなければならない。
大秦線で輸送される石炭の量は、中国において鉄道で輸送される石炭の総量の5分の1を占め、全国6大電力系統、5大発電グループ、主な発電工場約380ヶ所、10大鉄鋼企業、さらに企業約1万社が使用する生産用石炭や民間用石炭、輸出用石炭などの輸送任務を担っている。
また北京の住民が使う照明3つのうち、1つは大秦線で輸送された石炭で発電された電気を使っているという試算もある。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年11月22日