六中全会

アルペンスキー選手のパフォーマンスを高める中国の科学技術

人民網日本語版 2022年01月05日14:57

重慶大学構造実験室の風洞とアルペンスキーコースの模型の前では、煙霧が風によって舞い上がる様子をはっきり見て取れる。これはスキー場における風環境の研究現場だ。冬季五輪が迫るなか、筆者は重慶大学を訪れ、アルペンスキーの裏側にある科学技術の秘密を探った。科技日報が伝えた。

アルペンスキーはスキー場で最も高速かつ最も危険な競技の一つだ。選手は勢いに乗り、山頂から麓のゴールまで滑り降りる。その時間が最も短かった人が勝者となる。

重慶大学「科学技術冬季五輪」チームのメンバーで、土木工学部准教授の閆渤文氏らが実地調査と3Dモデリングにより、実用的、効率的で正確なアルペンスキー選手の滑走模型を構築した。

重慶大学「科学技術冬季五輪」チームのメンバーである李珂氏は、「チームは冬季五輪会場を合わせて4回訪れた。延慶ゾーンの国家アルペンスキーセンターのコースを合理的に簡略化し、実際のコースの模型を構築したうえ、事前に構築していた直線+カーブアルペンスキー模型に融合させた。同時にコースの風のデータシミュレーション結果と限定的な実測値を結びつけ、会場の各方向からの環境風の影響を考慮し、アルペンスキー滑走の環境模型を構築し、より全面的でより効果的なアルペンスキー滑走模型を構築した」と説明した。

選手の滑走に影響を及ぼす要素には、選手の体型、技術・戦術、コースの条件、雪の状況、風速、滑走装備の特性などが含まれる。選手は滑走中に重力、空気の浮力、空気抵抗、地面の支えと摩擦力、筋力などの作用を受ける。うち空気抵抗は選手の姿勢と大きく関係する。モニタリングデータによると、会場の風速は毎秒20-30メートル以上にのぼるため、会場の環境風の方向も選手の滑走に大きな影響を及ぼす。

李氏は、「最初の作業は風環境の研究で、うち70%ほどの内容はコンピュータによって行われた。まずコンピュータにより地球全体の風環境をシミュレートしてから、特定エリアの風環境をシミュレートし、その後の研究に向けてデータを集めた」と説明した。

また風から力に至る関係の研究が必要だった。李氏は、「力を知って初めて運動を理解できる。一方で、力を知るためには数学的モデリングが必要だ。選手の滑走模型を構築し、選手の姿勢によって受ける力がどう変わるか、風力荷重がどうなるかを研究する必要があった。この研究はコーチがすべての選手の戦術・装備及び体力を総合した個別化された科学的トレーニングプランを作り、競技の成績を高めるのをサポートする」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年1月5日

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