研究チームが2020年7月25日、青海省玉樹蔵(チベット)族自治州の巴塘草原を調査した。(画像提供は第2回青蔵高原総合科学調査隊の「酸素不足環境及びその健康への効果」課題研究チーム)
第2回青蔵高原(チベット高原)総合科学調査隊のメンバーで、青海師範大学生命科学学院の馬永貴教授は、「西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)市の平均標高は3650メートルで、春と夏は緑が生い茂り、鳥がさえずり花が香る。青海省茫崖市の平均標高は3000メートルで、一年を通じ緑が少なく、酸素含有量がより少ない」と述べた。新華社が伝えた。
中国の自然地理学専門家で、青海師範大学の史培軍学長は取材に、「標高は高原の酸素不足に影響を及ぼす唯一の要因ではない」と述べた。史氏の科学研究チームは第2回青蔵高原科学調査において、高原の酸素不足への標高の影響度がわずか39.58%で、大気温度、植被率、土壌、緯度など複数の要素も重要な役割を果たしている。
青蔵高原の総面積は約260万平方キロメートルで、大半の地域の標高は4000メートルを超えている。研究によると、標高、大気温度、植被率、土壌などの共同作用により、青蔵高原の地表付近の酸素の含有量に明らかな違いが生じている。東部が西部を上回り、南部が北部を上回る。森林が草原を上回り、草原が岩石砂漠を上回る。夏が冬を上回り、暖かい季節が寒い季節を上回る。昼が早朝を上回る。酸素含有量は全体的に、南東から北西に向かい低下する法則を示している。
研究チームのメンバーで、北京師範大学地理科学学部の博士課程に在学中の陳彦強氏は、「国内、さらには国際的な学術界で長期にわたり、標高は高原の酸素不足を決める唯一の要因とされていた。この研究は過去の認識を改めた」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月22日