中国は2021年、世界初の民間用トワイライト軌道気象衛星「風雲3号E星」(「黎明星」と略称される)を打ち上げた。それに先駆け打ち上げられていた風雲3号C星、D星を加え、中国は世界初の「トワイライト軌道、午前軌道、午後軌道」の衛星3基のネットワークを構築し運営する国になった。
欧米と類似し、中国のこれまでの衛星観測時間は午前10時及び午後2時頃に集中していた。6時間ごとの同じ観測時間内に、世界では常に2、3本の軌道の衛星観測が空白になり、世界をカバーする初期観測を提供できなかった。一方で、風雲3号E星の打ち上げは、衛星観測軌道の欠如と観測資料の不足を補った。
中国航天科技集団第八研究院風雲3号衛星全体チームデザイナーの陳暁飛氏は取材に対し、「風雲4号は地球を注視し、1分で1枚の画像を作るのと比べると、風雲3号の衛星1基は12時間で世界を1回『スキャン』する。つまり午前10時に中国の上空を通過すれば、中国の上空を次に通過するのは午後10時になるため、時間的効率性が低い。現在は午前5時30分頃のトワイライト軌道、午前10時頃の午前軌道、午後2時頃の午後軌道があり、風雲3号は4時間ごとに地球を1回『スキャン』できるようになった。データの時間的効率性が大幅に向上した」と説明した。
中国航天科技集団第八研究院風雲4号衛星製品保証マネージャーで、気象環境衛星全体部全体一室の陳暁傑室長は、「黎明星の打ち上げ後、中国の低軌道の観測軌道は世界的に見て最も豊富になった。欧州と米国を合わせると午前と午後の軌道があるが、民間用衛星のうちトワイライト軌道を持つのは中国が唯一の国となる。そのため欧米さらには世界各国の気象研究者が、黎明星の一部の観測データに非常に期待している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月21日