広州で遺言書を作成する「90後」の女性(撮影・蔡敏婕 )。
中華遺言バンクが21日に発表した「2021中華遺言バンク白書」は、「00後(2000年以降生まれ)」の遺言書作成の登録データを初めて明らかにしている。そのデータをみてみると、近年、遺言書作成者が若年化していることが分かる。中国新聞網が報じた。
中華遺言バンクが立ち上げられてから9年の間に中国全土にサービスセンターが約60ヶ所設置されてきた。2021年末の時点で、同バンクに寄せられた遺言に関する問い合わせは約31万5000件で、保管されている遺言書は約22万件、これまでに効力が発生した遺言書は4707件に達している。統計を見ると、遺言書作成者は若年化の傾向が続いており、作成者の平均年齢は77.43歳から少しずつ下がって、今では68.59歳になっている。
中華遺言バンクが今年初めて発表した「00後」の遺言に関するデータによると、2020年から2021年の間に遺言書を作成した人のうち、「00後」は223人で、前年比で14.42%増加した。「00後」が遺言により処理しようとしている主な財産は「銀行の貯金」と「バーチャル財産」と分析されている。
白書によると、「90後(1990年代生まれ)」と「00後」が作成している遺言における財産の処理の仕方に関する表現は他の年齢層のグループより豊かで、支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)、QQ、ゲームアカウントといったバーチャル財産が、「90後」と「00後」の遺言書においてよく出てくる財産の種類となっている。
中華遺言バンクの広東第一サービスセンターの李欣悦センター長によると、QQや微信といったバーチャル財産を、遺言書に含めるというのは、作成者にとって、「絆」を守る役割を果たし、「自分が亡くなった後も、家族が自分のSNSのアカウントを使えるようにしている」との見方を示す。
まだ21歳の男性・王さんは、「最近、ある男性が亡くなり、銀行に預けられているお金については誰も知らず、それを引き出すことができないというニュースを見た。妻が各銀行に行って夫が貯金していないか問い合わせていた。それを見て、もし自分に同じことが起きたら、家族はどうするだろうと考えた」と話す。
そのため、王さんは、自分の生活を見直し、遺言書作成を計画に組み込んだ。そして、遺言書作成を通して、自分がある日、突然亡くなったとしても、銀行に預けているお金を家族がすぐに引き出せるようにしておいたという。
李センター長は、「遺言書作成者が目に見えて若年化していることは、生死に対する意識が変化し、理性的になっていることを示している。遺言書の作成はゴールではなく、新たなスタートとなる。遺言書作成の過程で、過去と未来の人生について見直すことになるからだ」との見方を示す。
統計によると、「00後」の遺言書作成者のうち、97.7%が「銀行の貯金」に言及しているのに対して、「80後」が言及する財産は不動産がメインで、その次が「貯金」となっている。統計からすると、「80後」の遺言書の保管件数は5年で約13倍まで増えた。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年3月22日