「中共中央(中国共産党中央委員会)・国務院の全国統一大市場の建設加速に関する意見」が10日に公表された。北京の専門家は、「『大市場』によって新たな構造を構築し、中国市場が大きな市場から強い市場へ転換するよう推進することは、目下の改革深化の重要な任務であり、中国の市場化改革はこれによって重要なパズルのピースを埋めることになる」との見方を示した。中国新聞網が伝えた。
現在、中国の国内市場規模はすでに世界トップクラスだが、「大きいが強くない」という問題が引き続き突出している。清華大学中国発展計画研究院の董煜執行副院長は、「『大市場』だからといって初めからそれなりのスケールメリットを備えているわけではない。中国の市場体制には制度と規則が統一されていない、要素・資源の流通がスムーズにいかない、地方保護と市場分割といった突出した問題が長期にわたり存在し、市場機能の発揮にマイナス影響を与えてきた」と述べた。
今回の「意見」は、「高効率で規範化された、公平な競争が行われる、十分に開放された全国統一大市場の建設を加速する」ことを明確に提起し、より広い範囲、より深いレベルで全国統一大市場を建設するための全面的な計画を立てた。このことは、新時代の市場化改革の一連の政策手段を形成したとされている。
中国国際経済交流センターの王一鳴副理事長は、「新発展構造を構築するカギは経済のスムーズで滞りのない循環にある。全国統一大市場の建設加速、経済の循環を制約する鍵となる行き詰まりの打開、地方保護と市場分割の状況打破、商品・要素・資源のより広い範囲でのスムーズな流通促進、中国市場の優位性の絶え間ない増強をして初めて、世界のハイレベルの要素や市場資源を効果的に誘致し、中国国内市場と国際市場をよりよく連携させることができ、『双循環(国内と国際的な2つの循環)』の新たな発展局面を構築するために強く大きな支えを提供することが可能になる」と述べた。
全国統一大市場はどのように構築するのだろうか。具体的なやり方の原則では、構築と打破の同時進行がキーワードになる。
「構築」とは、ルールを構築し制度を確立することに着目することだ。たとえば、市場の健全な運営という最も基本的なルールから着手することについて、同「意見」は知的財産権の保護、市場参入、公平な競争、社会的な信用の4項目が統一された「四統一」の基礎的制度の構築を打ち出した。
市場の監督管理の公平さと統一を推進することは、地方保護と地域間の障壁を打破し、全国統一大市場を建設するための重要なルートでもある。同「意見」には、「市場の監督管理の標準化・規範化の建設を強化する」、「法執行の基準とプロセスを統一し、法執行の行為を規範化し、自由裁量権を削減する」などの記述が盛り込まれた。新業態や新モデルに対し、政府は「監督管理の規範の堅持と発展の促進をともに重視し、法律・法規と基準に欠けている部分を速やかに補完すること」が必要だと強調する。
「打破」について、同「意見」は「不当な市場競争と市場への関与といった行為に対する一層の規範化」を突出させている。その中で、反独占の強化に力を入れ、不当な競争行為を法律に基づいて摘発し、地方保護と地域間の障壁を打破し、外資系企業や他省の企業などを差別する各種の優遇政策などの措置を全面的に整理し、マーケットエンティティに対しても政府当局に対しても目に見える障壁を打ち破ることに注目すると同時に、より強調しているのは各種の隠れた障壁を打ち破ることだ。
王氏は、「ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)など新世代の情報技術(IT)の急速な発展と広い範囲での浸透に伴って、さまざまな市場の障壁や垣根が壊されつつある。そのためプラットフォーム経済などの新業態・新モデルの独占行為や不当な競争行為に対する規制を強化する一方で、地域の閉鎖や市場の分割を打破し、全国統一大市場の建設を推進する上でプラットフォーム経済が果たす積極的な役割を十分に発揮させることが必要だ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月11日