英ロンドンの街中で黒い上下の服を着て、赤いファンベールをなびかせながら、両足を後ろに引いて、高く飛び上がり、優雅に着地したり、袖口に長い白絹がついている衣装を着て、飛び上がり、鳥が翼を広げるように、両腕を広げて華麗に舞ったりしている中国のダンサー兼振付師の馬蛟龍さん(35)が最近、大きな話題となっている。中国日報が報じた。
北京舞蹈学院で芸術を専門に学んだ馬さんは2014年に修士号を取得し、現在は同校の青年舞踊団のダンサーとして活動している。馬さんは2020年から、英国のロンドンで舞踊を披露するショート動画を製作して、ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」にアップするようになり、今ではフォロワー約500万人を抱えるようになっている。
馬さんは、「動画がこんなに人気になるとは思ってもみなかったので、とても驚いている。多くの人に認めてもらえることの最大のメリットは、世界に中国古典舞踊の文化を発信できること。中国の古典舞踊は武術と伝統演劇の動きを組み合わせている」と語る。
馬さんは2019年、北京舞蹈学院が企画した提携プロジェクトを通じて英国に来て、ロンドン大学ゴールドスミス校の孔子学院で中国古典舞踊を教えるようになった。
「2年前から舞踊のショート動画を撮影するようになった。当時、新型コロナウイルスの影響で、オンラインで踊りを教えることになった。しかし、自分の家は狭く、大きな動きを含む踊りは披露できない。ある日、同じくダンサーの妻がスーパーに買い物に行って帰る時に、有名な観光スポットのグリニッジ・パークを通り、ロンドンの美しい景色を一望に収めた。そして、『家は狭くてできないのだから、ここで踊ればいいのに』と言われたので、飛び上がって360度回転し、妻にスマホで撮影してもらった」と馬さん。
そして、「帰宅後、その動画に、バックミュージックをつけて、友達に送ったところ、意外にもとても喜んでくれた。それがヒントになり、ネット上にアップしてみた。その時から、思い出を記録する一つの方法として、外出した時はいつも同じようなショート動画を撮影してネットにアップするようになった」という。
また、「屋外で踊るのが大好き。より大自然に近づいて、呼吸に集中することができる。たくさんの知らない人が僕の踊りに興味を持ってくれるようになった。そのような人と交流するのも大好き」と話す。
動画が大人気となってから、馬さんは世界各地の人からメッセージを受け取ったという。多くの人は、パーフェクトな踊りを披露する馬さんの姿に驚きを隠さない。
馬さんは、「今は動画をアップするのが僕の生活の一部となっている。中国舞踊についてほとんど知らない人がたくさんいるので、世界の人々に、素晴らしい中国古典舞踊を見てもらうのが僕の夢。ロンドンで踊りを教える生活をするようになってから、中国古典舞踊に対する理解がさらに深まった。中国古典舞踊は手や目の動きといった微妙な動きを通していろんなキャラクターを描き出すことを重視している」と語る。
そして、「この舞踊の形式は、テクニックとアートのパーフェクトな融合。僕が教えている英国人はプロのダンサーではない。彼らにとって、中国舞踊を学ぶというのは、中国の伝統文化を学ぶ方法の一つでもあり、単に僕の踊りの動きを真似するというものではない」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月11日