日本政府は今月13日、福島原発汚染水の海洋放出の決定を発表してからちょうど1年目を迎える。1年前のこの日、日本政府は国内外の疑問や反対の声を無視して、東京電力福島第一原子力発電所から出た大量の原発汚染水を濾過・希釈した後に海洋へ放出すると一方的に決定した。この決定は2023年春頃に正式に実施される計画だ。
福島原発の放射能漏れ事故からすでに11年がたった。11年間にわたり、原発から出た放射能汚染水をどのように処理するのか、国際社会はずっと関心を寄せてきた。実際、日本政府が海洋放出を発表すると、日本の国内からも海外からも反対の声が上がり続けている。
国際社会の一般的な見方では、日本は安全に処理する手段をできる限り取ろうとせず、関連の情報を全面的に公開せず、周辺国や国際機関と十分な協議を行っていない状況の中で、海洋放出に固執し、放出して問題を終わらせようとしてきた。この行動は極めて無責任であり、日本国民の健康・福祉や発展の権益に損害をもたらすだけでなく、世界の海洋環境にも重大な脅威を与え、国際社会に不必要なリスクを負わせることになる。
日本政府がかたくなに海洋放出を実行しようとするのはなぜか。答えは簡単だ。日本とってこれが最も簡単で経済的な方法だからだ。
専門家は、「原発汚染水の処理方法には電解還元法、化学還元法、蒸留法、地層中の空洞に注入する方法などがある。しかしこうした方法は長期的にわたって技術の研究開発に取り組まなければならず、投資額が極めて大きくなる。ここ2年間近くにわたり、原発汚染水の貯蔵タンクの設置場所がいっぱいになったため、日本政府が手っ取り早く処理しようと、海洋放出を画策してきたことは明らかだ」とした。
日本政府は国民と国際社会を落ち着かせようとして、汚染水を海に放出しても安全だと非常に力を入れてPRしてきた。しかし専門家は、「原発汚染水には60種類を超える放射性汚染物が含まれ、しかもこうした汚染物の半減期は30年から5730年の間で、基本的に海流により濾過されるということはない」と指摘した。
太平洋は世界の太平洋であって、日本の「下水道」ではないということを日本は認識しなければならない。福島沿岸には世界で最も強い海流があり、海洋放出から57日間以内に、放射性物質は太平洋のほとんどの地域へと拡散し、10年後には世界中のあらゆる海域に広がる。福島原発のトリチウムを含んだ汚染水が海洋に放出されれば、その被害と脅威は言うまでもない。
福島原発汚染水の処理問題は世界の生態環境の安全と各国国民の生命・健康に関わる重大事であり、決して日本の「私事」ではなく、環境に重大な損害を与える可能性がある事件だ。この問題は日本が一方的に決定していいものではなく、「密室での不正な操作」は絶対に行ってはならず、公開・透明の原則を堅持し、国際社会とりわけ日本の周辺国の十分な参加を確保し、関連国際機関の枠組内で科学的な評価を行わなければならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月12日