今後10年で医療と深く融合するデジタル技術

人民網日本語版 2022年04月14日15:31

「ランセット」や「セル」などのトップレベルの医学誌を持つ情報分析会社のエルゼビアはこのほど、110ヶ国・地域の3000人近くの臨床医療従事者の抜き取り調査、権威ある臨床専門家への取材を行った上で、「将来の医師白書」を発表した。世界の医療発展について、(1)デジタル技術と医療手段の深い融合(2)患者の健康素養の全面的な向上(3)多元的医療シーンが医療従事者の能力に新たな挑戦を突きつけている、という3大トレンドを描いた。人民網が伝えた。

同調査結果によると、今後10年でデジタル技術が医療と深く融合し、デジタル医療技術が医療従事者の診療と意思決定に重要なサポートを提供する。複数種類のデジタル化技術のうち、ビッグデータと人工知能(AI)が特に注目されている。回答した世界の医療従事者の80%は、「ビッグデータが人口の健康管理と深く融合し、科学研究データ、電子カルテ、医療設備の相互接続後の情報収集の持続的な蓄積が、医師のより正確な診療プランの制定、意思決定の効率向上にプラスとなる」とした。回答者の56%は「医師はより多くのAIが補助する臨床意思決定ツールを使い意思決定し、より正確で科学的な診断と治療を実現する」とした。

回答者の66%は、「リモート医療設備の普及と個人の医療と記録の改善に伴い、患者はより自発的にセルフ健康管理を行い、より良い治療プランを理解・選択するとともに、医師に積極的に協力し最も理想的な治療結果を実現する」とした。また患者の健康素養の向上は、医師と患者が健康状況の変化に基づき早急に干渉措置を講じる一助となり、医療・ヘルスケア産業の「疾患の治療に専念」から「予防・治療・リハビリ共に重視」へのモデル転換を推進するとした。

回答者の63%は、「リモート診療は今後、さらに主導的な地位を占める」とした。これはデジタル技術と医療手段の深い融合、患者の健康素養の全面的な向上に伴い、多元的な医療・健康サービスモデルが医師と患者に便宜をもたらし、診療の効率を上げることができることを意味する。だが医療サービスシーンの変革は、医療従事者の技能に新たな挑戦をも突きつけている。回答者の51%は、「リモート医療は医師の患者へのいたわりに影響を及ぼす恐れがある。将来の医療シーンにおける医師と患者のコミュニケーション技能は、臨床ケアにとって非常に重要」とした。

特筆すべきなのは、同調査研究によると、中国の医療従事者はデジタル技術の応用とイノベーションに対して、より開放的で楽観的な態度を示したことだ。その電子カルテ統合による医療情報化の建設推進、AI技術による臨床意思決定のサポート、ビッグデータに基づくカスタマイズ診療など複数の面に対する賛同度が、世界平均水準をいずれも10%超上回っている。また調査に回答した中国の臨床医療従事者の92%が、「カスタマイズされた治療プランとビッグデータの重要性が日増しに高まり、臨床科学研究がより良く臨床実践と結びつく」とした。また、将来の多元的な医療及び健康サービスモデルによりよく適応するため、将来の臨床医が備えるべき最も重要な2つの技能は「データ分析能力」(60%)と「技術素養」(48%)とした。また「臨床知識」(46%)、コミュニケーション技能(34%)なども引き続き将来の医師の中核的能力とした。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年4月14日

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