不眠は働く人々の間でよくみられる問題の一つだ。成人3人のうち、1人が時々眠れなくなり、成人10人のうち、1人が長期的に不眠症を患っている。研究によると、睡眠時間は体重と関係しており、睡眠時間が短い人ほど肥満になりやすいという。北京青年報が伝えた。
食べ物に含まれるどの物質が睡眠を助けるのだろうか。関連する栄養素のうち、L-トリプトファンが最もよく研究されている。このアミノ酸は体内に入ると睡眠と関連する2つの化学物質に変わる。1つ目は睡眠のサイクルの調節に役立つメラトニンで、2つ目はリラックス効果を生むセトロニンだ。
大量のトリプトファンを含む食べ物には、鶏肉、鶏卵の白身、大豆、低脂肪乳製品、黒ごま、クルミ、杏の実などがある。
それではこれらの食品を多めに摂取すれば眠りやすくなるのだろうか。ことはそれほど単純ではない。
過去20年近くにわたる体系的な遡及的分析によると、トリプトファンを使った不眠症治療の臨床上の結論は統一されておらず、定論も存在せず、さらなる対照臨床研究が必要だ。つまり効果的な人もいれば、効果がない人もいるということだ。一体誰に対して効果的なのか、どれほど摂取すれば効果的なのかについては、科学者はまだ確かな答えを出せる自信がない。
食べ物の睡眠改善効果は不確実な上に個人差がある。ただ、例えば寝る1時間前にホットミルクを飲むとぐっすり眠れるなど、自分にとって効果的な食べ物があるのなら、その習慣を維持するといいだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月20日