より多くのイノベーションの力を集めるファーウェイのオープンソースOS

人民網日本語版 2022年05月17日10:01

ファーウェイが2021年9月、欧拉OSを発表した。画像提供はファーウェイ

金融機関は顧客数が多く、業務形態が複雑で、システム運営のユーザビリティと信頼性に極めて高い要求を突きつける。電力システムは業務提供地域が広く、システムの維持費が高く、情報化建設と運営維持の質を保証すると同時にコストを削減し安全を保証する必要がある……これらの問題については現在、欧拉オープンソースOS(以下「欧拉」と略称)のサポートにより解決が模索されている。人民日報が伝えた。

「オープンソース」とは、OSのコードの開放と共有を意味する。誰でも業界の属性に合わせながら、各業界の実需に合致する形で、システムの二次開発を行える。華為(ファーウェイ)技術有限公司は2021年9月に欧拉をリリースした。欧拉の全コード、ブランド商標、コミュニティインフラなどの関連資産が同年11月、開放原子開源基金会に寄贈された。これによって欧拉は創設企業主導のオープンソースプロジェクトから、産業の共同建設、コミュニティの自治に進化した。

コミュニティメンバーの持続的な貢献により、欧拉が急成長している。コミュニティの発展に伴い、コミュニティの貢献者の出身がさらに多元化している。欧拉コミュニティは現在すでに1万人近くの開発者を引き付け、100近くのサークルを作っている。世界のダウンロード件数は47万件を超えている。欧拉コミュニティは現在すでに、半導体メーカー、完成機メーカー、OSメーカー、アプリメーカーなどの330社以上の企業を集めている。欧拉コミュニティは現在、業界で最も活力あるコミュニティの一つになろうとしている。

中国移動情報技術センターの上級技術専門家の任林氏は、「オープンソースソフトウェアが関わる分野が増えており、多くの優秀なオープンソースソフトウェアが雨後の筍のように現れている」と述べた。ファーウェイは欧拉システムを開放原子開源基金会に寄贈し、OS応用のイノベーションをさらに加速する見通しだ。欧拉は現在すでに政府当局、金融機関、通信事業者などの業務に用いられており、エネルギー、宇宙、物流、教育などの業界分野をカバーしている。すでに複数のOSメーカーが欧拉をベースとするビジネス版を開発している。中国電信、中国聯通、中国移動の3大通信事業者も欧拉をベースとする自社用OSを開発した。

「中国サーバーOS市場研究報告書」によると、欧拉は21年、政府及び事業者業界で新規市場シェア1位に、金融業界で成長率1位になった。電力コア調節システムのOS移行・改良、通信事業者モバイルOS無感知イノベーション高度化、公共サービスホールの事務のクラウド化など、欧拉の商業使用量がすでに100万セットを超えている。欧拉の業界応用は22年、新たに200万セット以上増加する見込みだ。

また中国教育部(省)大学コンピュータ類専攻教育指導委員会の指導を受け、ファーウェイは「欧拉人材発展加速計画」を発表した。より多くの大学の教員・学生による計画への参加を奨励し、OSの人材の基礎を共に強化する。鯤鵬応用イノベーションコンテスト2021では、高校生の呉啓涵さんが欧拉コースの最年少の出場者として、「コード合入コミュニティ賞」を受賞した。呉さんは、「コンテストを通してOSをより深く理解し、個人の知識水準と技術力を高めた」と述べた。コミュニティの開発者で大学4年生の白沢平さんも同じように感じた。「欧拉コミュニティには親しみやすい中国語の交流環境、平等な交流方法があり、個人とコミュニティの距離を近づけた」と白さん。

OSは最も基本的で最も重要な基礎ソフトウェアとして、コンピュータシステムの内核と礎であり、その開発者の広範性と大量の使用が非常に重要だ。将来的により多くのイノベーションの力の集結に伴い、欧拉は中国デジタルインフラ整備に力強い支えを提供するだろう。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年5月17日

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