中国の平均初婚年齢が28.67歳まで上昇 晩婚化の理由は? (2)

人民網日本語版 2022年06月24日16:53

中国国務院発展研究センター公共管理・人力資源研究所研究室の馮文猛主任は、「教育水準の向上や結婚コストの高騰、就職・職場の競争激化、結婚観念の変化などが初婚年齢上昇の主な原因だ」と分析する。

まず、教育水準の向上という点を見ると、大学卒業後、大学院に進学する人数が増えている。特に女性にその傾向が強く、教育を受ける年数が伸び続けており、その影響で自然と結婚がおそくなっている。

次に、社会の熾烈な競争を見ると、就職難で、働き始めると生活のリズムがどんどん速くなり、多くの若者は仕事が忙しく、残業が多くて、「恋愛する時間もない」、「異性と出会う機会がない」と嘆く人も少なくない。

また、結婚コストの高騰を見ると、都市部であっても、農村部であっても、中国では結婚するためにはマイホーム購入などの要素を考慮しなければならず、特に一線都市ではコストがさらに上がり、結婚準備期間がさらに長くなる。また一部の地域では、破格の結納金に尻込みしてしまったり、結婚を諦めたり人もいる。

最後に、結婚観念の変化という点を見ると、今の若者は自己意識が非常に強く、自分の選択の権利や結婚生活の質をより重視するようになっている。また、生活がより便利になっており、「一人暮らしでもとても快適」と感じる人も多くなっている。そして、家庭を持ちたいという願いが薄れ、それに対する依存度も低くなり、結婚が恋愛の1つの帰結とは限らないと考える人が増えている。

馮主任は、「結婚コストを下げ、破格の結納金といった不合理な結婚に関する風俗・習慣を改め、若者が結婚についてできるだけ気軽に考えることができ、結婚が悩みの種になることがない環境づくりをしていくべきだ。そして、結婚や育児の環境を最適化、高度化し、婚姻市場のサービスの供給を増やし、質を向上させ、若者が交友の輪を拡大できるようサポートし、さらに多くの男女が出会って結婚できるよう促進していくべきだろう。そして、結婚や家庭、育児の重要性をPRし、一部の人が結婚、家庭、育児に対して抱いているマイナスのイメージを消し去っていく必要がある」と指摘する。

近年、法的に結婚ができる年齢の引き下げを願う声が出ていることに関して、馮主任は、「初婚年齢が現在、法的に結婚ができる年齢を大きく上回っている。初婚年齢が上昇している主な原因を解決できないなら、結婚をできる年齢を引き下げても、ほとんど意味はないだろう。また、家庭の安定という点を考えると、十分に成熟していない年齢で結婚する人が増えると、離婚やひとり親家庭もさらに増えてしまう可能性がある。そうなると、家庭や子供にとって良くない。そのため、法的に結婚できる年齢を引き下げる実際的な意義はほとんどない」との見方を示している。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年6月24日

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