山村から苦労の末、進学果たした男子大学生の卒論の「謝辞」が話題に

人民網日本語版 2022年06月22日14:06

「中学生の時に自転車を手に入れ、県の行政中心地にある学校に家から通うようになった」、「冬になると足はしもやけだらけになり、夏は豪雨で服がびしょ濡れになった」、「大学の時は勉強しながらアルバイトをして、全ての学費や生活費を自分で支払った」などと書かれた、南京大学の卒業生・陳時鑫さんの卒業論文の「謝辞」が最近、ネットユーザーの注目を集めている。中央テレビニュースが報じた。

その「謝辞」の中で、陳さんは、勉強するために経験した苦労を包み隠さずに書いており、読む人の心を揺さぶる内容となっている。そんな南京大学電子科学・工学学院の4年生・陳さんは昨年、香港中文大学コンピューター講座の博士課程合格通知書を受け取った。また、全額の奨学金も支給されるという。今年8月にも入学して、チップの自動化設計の分野の研究を行うことになる。

陳さんは1999年に四川涼山彝(イ)族自治州冕寧県の山に囲まれた小さな村で生まれた。村の多くの人は出稼ぎに出ており、陳さんの父親もその一人だった。そして、陳さんは、よく母親の畑仕事を手伝っていたという。

子供の頃の陳時鑫さん。

畑仕事以外に使える時間は全て勉強に費やしていたという陳さんは、望んでいた県の行政中心地にある中学校に進学。そしてお金を節約するため、家から学校に通い、食事も自宅で取っていたという陳さんは、朝に自転車で登校して、昼は家に帰って昼食を取り、その後また自転車で急いで学校に戻り、夜8時に帰宅するという生活を送っていた。

「3年間、必死に自転車をこいでいた。冬の早朝は風が吹いて身を切るような寒さとなり、手にも足にもしもやけやあかぎれができていた。夏は豪雨で服からカバン、靴までびしょ濡れになっていた」のだという。

中学生時代の陳時鑫さん。

決して諦めない強い精神力で、山地から出るという希望を抱いていた陳さんは優秀な成績で四川省成都市の重点高校に合格した。「入学したばかりの時は、同級生についていけず、英語の先生が授業中に話す英語も聞き取れなかった」という陳さんだが、それでも、コツコツと頑張り、一歩一歩進歩し、成績は安定してトップ3に入るようになり、学年で1位になったことも何度もあったという。

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