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日本のソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は赤字の状況を改善するため、最も成功した投資である阿里巴巴(アリババ)の株式を再び売却することを決定した。
アリババの大株主であるSBGは10日、取締役会がアリババの米国預託証券(ADR)2億4200万株を先渡し売買契約の対象として差し出すことに同意したと発表した。これにより取引の総収益は4兆6千億円になる見込みで、SBGのアリババへの出資比率は6月末時点の23.7%から14.6%に下がり、20%を割り込んだため、持ち分法に基づきSBGはアリババの関連会社から外れることになった。
特筆すべきは、SBGがこのほど発表した過去最低の四半期決算だ。
SBGは今月8日、2022年度第1四半期(4-6月)の決算を発表した。同期は3兆1600億円(米ドル換算で234億ドル)の赤字となり、前期の1兆7千億元を上回って過去最高の赤字額となった。一方、前年同期は7615億1千万円の黒字だった。
決算によると、赤字の原因はハイテク株の暴落、円安による株価の大きな下落にある。未上場企業に投資する傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドは同期に2兆3300億円の損失を出した。前年同期は4519億3千万円の黒字だった。中でも損失額の大きかった銘柄には、韓国EC大手のクーパン、中国画像認識大手の商湯集団(センスタイム)、米料理宅配大手のドアダッシュ、中国オンライン不動産取引プラットフォームの貝殻找房、米シェアオフィスのウィーワークなどがある。このほか円安で米ドル建ての債務額が膨らみ、SBGの同期の為替差損は8200億円にも達した。
復旦大学金融研究センターの孫立堅センター長の分析によると、SBGの業績低下は実は一連の外部からの打撃の影響によるもので、世界は今、3つの打撃に直面し、イノベーション類(成長型)企業を選択した投資家の業績が最も大きな打撃を受けている。その原因として次の3点が挙げられる。(1)資金コストの急速な上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは米国の高インフレ抑止のためだが、グローバル金融資本の流れを変え、急激なドル高をもたらし、米ドルでの資金調達の代償と機会コストがますます上昇している。(2)FRBの利上げを受けた投資家のポートフォリオの変更。現金が最良の選択になり、債券により傾くとともに、成長株は投げ売りされた。ベンチャー企業の株価の下落が深刻で売却することもできなくなった。(3)中米関係などの問題が中国概念株の動きに影響を与え、孫氏のポートフォリオにも大きく影響した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月11日