8月11日に発売された定価16万5千元(1元は約19.7円、約325万円)のエルメスの自転車は、すでに完売状態だ。
報道が伝えたエルメスのカスタマーサービスの話によると、この自転車は現在、上海のオフライン直営店ではいずれも売り切れで、北京の直営店にも在庫はない。顧客からの購入希望の電話に対し、同サービスは「中国大陸部ではしばらく提供できる製品はない。現在、フランスから取り寄せ中」と答えたという。
エルメス公式サイトの情報によれば、この自転車は全長154.6センチメートル、幅58センチメートル、重さ14キログラム。トネリコ、アルミニウム、スパッドレザーを使用し、レバーとサドルのフレームにライトがあり、正面にはエルメス自転車ラインのエンブレムが飾られ、革製のサドルには「Hermes Paris」の刻印がある。前後にカゴがあり、4段変速機構を搭載する。
製品の詳しい説明によれば、サドルは乗る人の身長に合わせて高さが調節できる。日本の折りたたみ自転車からインスピレーションを得てデザインされ、フランスで製造されている。
定価16万5千元の自転車は多くのネットユーザーの自転車に対する認識を改めた。ネットユーザーからは、「車輪が2つ、確かに自転車だ」、「16万元以上、低価格帯のアコード(ホンダの自動車ブランド)並み」、「道を走っていて他の人とかぶる可能性が低い」、「エルメスはトップレベルのぜいたく品ブランドの名に恥じない」といった声が上がった。
上海対外経済貿易大学の教員の杜佳毅氏は、「定価はブランドのマーケティングにおける重要な構成要素だ。自転車そのものだけを考えると、この価格は驚くほど高い。しかしエルメスのブランドということを考えれば、この価格が合理的かどうか、顧客がこれにお金を出したいと思うかどうかは、エルメスの消費者に判断を委ねることになる」と述べた。
エルメスの価格決定システムは多くのブランドと異なり、価格設定が非常に高い製品もかなりあるが、こうした製品はエルメスの売れ筋製品ではなく、ブランドの価値を示すために価格が設定されている。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月15日