ここ数日、中国では「猛暑」が大きな話題となっており、「40度では全国高温ランキングに入れず」という話題が検索のトレンド入りしている。これまでは「高くて手が届かない存在」だった40度の壁を何度も超える地域も増えており、ネットユーザーからは、「歴史の目撃者になっている」といったコメントも寄せられている。 華西都市報が報じた。
中国中央気象台は今月14日午後6時の時点で引き続き3段階で最も深刻な赤色の高温警報を発令している。15日の日中は、新疆維吾爾(ウイグル)自治区吐魯番(トルファン)盆地や同自治区南部の盆地、陝西省中・南部、山西省南部、河北省中・南部、北京市、山東省南部、河南省、安徽省、江蘇省、上海市、湖北省、湖南省、江西省、浙江省、福建省、四川省中・東部、重慶市、貴州省東部、広西壮(チワン)族自治区北部、広東省北部といった地域で最高気温が35‐39度にまで上昇すると予想されている。うち、四川省東部や重慶市中・西部、陝西省南部、河南省東・南部、安徽省中・南部、江蘇省南部、湖北省東・南部、西・北部、湖南省北部、江西省東・北部、浙江省中・北部、新疆トルファン盆地といった地域の一部では最高気温が40度以上に達する可能性がある。
14日の時点で、中央気象台は20日連続で高温警報を発令している。また12日からは、3日連続で赤色警報の発令となっている。6月以降、中国南方エリアの多くの地域に影響を与え続けてきた熱波が、今になって最高潮に達しているということだ。
中央気象台の馬学款首席予報士は、赤色の高温警報発令の基準について、「過去48時間に、省内で4ヶ所またはそれ以上の地域で連続して最高気温40度以上を記録し、今後もそのような状態が続くと予想される時」と説明している。
1961年以来で熱波の影響が最も長い夏になる予想
中国国家気候センターの陳麗娟首席予報士は、「現時点で、地域的な熱波の影響は2013年を超えてはいないものの、南方エリアでは今後2週間もその影響が続くと予想されている。その場合、猛暑日が62日続いた2013年を超えて、1961年以来で最も長い猛暑日の記録を塗り替えると予想されている。今年の猛暑の強さも、完全な記録のある1961年以来で最強クラスとなりそうだ」としている。
また高温の赤色警報の発令も続きそうだ。中央気象台は今後10日、江淮や江漢、江南、四川盆地といった地域で猛暑が続き、猛暑日の日数が7‐10日になると予想している。
異常気象の元凶は「亜熱帯高気圧」 秋まで干ばつの可能性も
猛暑日が続くと、南方エリアの農作物や果物の生長と発育に悪影響を及ぼし、一部の地域では、干ばつも生じている。
中央気象台の陳涛首席予報士は、「今年のような熱波は主に大気循環、特に異常な西太平洋亜熱帯高気圧の影響を受けている」と説明する。
そして、「熱波の影響で、四川盆地から長江・中・下流地域ですでに、気象学的な干ばつに見舞われている。今後しばらくは干ばつが続き、深刻化する可能性もある」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月15日