中国人民銀行(中央銀行)は15日に公告を発表し、銀行システムの流動性の合理的なゆとりを維持するために、同日に4千億元(1元は約19.7円)の中期貸出制度(MLF)の操作を行うとともに、期間7日のリバースレポの公開市場操作(オペ)で20億元を市場に供給し、金融機関のニーズに十分に応えたことを明らかにした。
注目されるのは、今回のMLF操作とリバースレポで基準金利がともに10ベーシスポイント(bp)引き下げられ、MLF金利は2.75%、7日物リバースレポ金利は2%になったことだ。アナリストの間では、今回の政策金利の引き下げ調整の後で、8月の1年物と5年物以上の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)も引き下げられる可能性が高いとの見方が一般的だ。
8月には6千億元のMLFが期限を迎え、市場では人民銀行が資金を吸収する可能性が高いとの予想が広がっていた。
中国民生銀行の温彬チーフエコノミストは、「8月はMLFを通じて2千億元の資金吸収が緩やかに行われ、これは市場が予想していたことだ。過去数回のMLFによる資金吸収と比べると、今回の資金吸収の規模が小さく、人民銀行も大規模な金融引き締め政策のシグナルを発するつもりはないこと、引き続きマネタリーベースの合理的なゆとりを維持したいと考えていることがわかる」と述べた。
人民銀行は今回、MLF操作とリバースレポで基準金利をそれぞれ10bp引き下げて、MLF金利を2.75%、7日物リバースレポ金利を2%とした。前回の調整はいずれも今年1月17日に行われており、今回の引き下げは市場にとって予想外のことだった。
現在、1年物LPRは3.7%、5年物以上のLPRは4.45%だ。専門家はまもなく発表される次期LPRについて、「8月のMLF金利の引き下げ調整は、この月のLPRの設定の基礎に変化が生じたことを意味する。これに最近、銀行の資金コストが急速に下ぶれしていることも加わって、8月のLPR引き下げは確実だと言える。最近の不動産市場が貸し出しに傾斜していることを考えると、5年物以上のLPRの引き下げ調整幅が10bpを超える可能性は排除できない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月16日