求人サイトの智聯招聘が今年2月に発表した「中国留学帰国者雇用調査報告2021」の関連データによれば、ここ数年の中国の雇用市場では「留学帰国者優先」の求人が減少を続けており、19年、20年、21年はいずれも減少傾向にあったという。帰国して就職を希望する留学帰国者が増加し、「留学帰国者優先」の求人が減少するという「一増一減」の状況は、客観的な意味で、中国における留学帰国者の就職活動への圧力を高めている。
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学を卒業した王さんは、修士号を持っている。王さんが就職で注目するのは、初任給がいくらかではなく、その企業が自分に広い活動の場を提供してくれるかどうか、ポジションが安定するか、自分の専門を生かせるかといった点にも注目しているという。王さんは、「この2年間、自分の周りでは多くの同級生が賃金への期待を引き下げたことは確かだが、それは悪いこととは限らず、みんなが就職活動においてより現実的になったことを物語っていると思う。今は毎年、帰国して働くか起業する留学生が多く、就職活動で自分の人と違う優位性を示すことができなければ、雇用側は採用してくれないだろう」と話した。
20年に日本の早稲田大学で修士号を取って帰国した趙星黎さんはこれまでに2回就職活動をしてきた。「職業キャリア全体を考えると、雇用側のプラットフォームの効果は短期的な賃金の多寡よりもさらに重要だ」と趙さん。
雇用側は外国語ができるという優位性だけでなく、留学帰国者の異文化コミュニケーション能力を重視しており、持続的な学習能力も評価基準の1つだ。
教育部(省)が発表した最新のデータによると、12年以降、中国の各種の海外留学生のうち80%以上が学業を終えた後は帰国して中国でのキャリアアップを選択している。中国は広い活動の場を提供でき、ますます多くの留学生を引き付けている。彼らは自身が学んだことと国家の発展に必要なことを結びつけることで、個人的価値を見出し、人生の夢を実現させようとしている。
注目すべきは、ここ数年、次世代情報技術、新材料、新エネルギー、メタバース、バイオ医薬などの新産業、新業態が次々に登場し、留学帰国者の就職活動がより多様化しているという特徴がより際立つようになったことだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年9月29日