中国海軍の空母「遼寧」の女性乗組員・劉咪咪さんは、乗組員になって約2年の間に、役割分担が明確に区別できるよう7色に色分けされている作業服「レインボー・ワードローブ」のうち、緑、白、青、黄色を着用してきた。そんな彼女は、7色全色揃えるのが夢という。
乗組員になったばかりの時、離着艦信号下士官を担当していた劉さんは緑色の作業服を着ていた。その後、艦上戦闘機・殲-15(J‐15) フライトトレーニングシミュレータ管理員を担当した際は、白の作業服を着るようになった。そして、初めて飛行甲板での作業を担当し、航空機誘導員になった時には、青の作業服を着るようになった。係留の訓練科目テストに合格した第一陣の女性係留員となった劉さんは、「甲板で作業するようになってからは、視野が大きく広がった。この広大な海を見ていると、守りたいという気持ちになる」と話す。
そして、係留員になってもうすぐ1年という時に、劉さんはヘリコプター誘導員育成の対象に選ばれ、作業服の色が黄色に変わった。
今では4色の作業服を持っている劉さんは、「7色全色揃えるのが夢。いろんな形で遼寧号に寄り添いたい」と話す。
「遼寧」には、約100人の女性乗組員がいる。普段は若くて美しい普通の女性だが、ひとたび任務に就けば、勇ましく、颯爽とした乗組員となり、巨大な空母を守っている。
新疆・天山山脈から海へと夢を追いかけて 「J-15着艦のシーンに癒される」
熱米拉・達布力さんは、新疆の天山山脈出身のカザフ族の女性で、「遼寧」の乗組員になって8年になる。甲板係留員である彼女は、軽くて20キロ、重いものなら40キロもある係留ロープを担がなければならない。甲板で作業をするようになったばかりの頃は、みんなに「そんなに細いのに、甲板で作業ができるのか?風に吹き飛ばされるのでは?」と言われたものの、実力でそんな疑問の声を吹き飛ばしてきた。
熱米拉さんは、「J-15が着艦した時は何とも言えない気持ちになり、全ての苦労が報われたと感じ、疲れも吹き飛ぶ。ここに来たばかりの時、ちょうど夜間の飛行が行われていて、艦上機が夜に離着艦する様子はとても美しく、それを目の前で見ると心臓がドキドキして、とても感動した」と語る。
遼寧の乗組員になって10年 「夢はJ-15の誘導員」
李潔さんはヘリコプター誘導員で、空母に搭載されているヘリコプターの離着艦を誘導している。そんな李さんは遼寧の管制塔におけるJ-15の第一陣の女性着艦誘導員で、それより前は、女性がそのポストを担当することはなかったという。
李さんは遼寧の乗組員になって今年で10年目になり、「夢は遼寧の甲板において一人目のJ-15の女性誘導員になること。その難度はとても高く、プロフェッショナルなスキルが求められる。18歳の時に乗組員になり28歳になる今まで、家族と一緒に過ごす時間は少なかったが、遼寧に乗っていろんなところへ行った。ここにいる間はずっと有意義な時間を過ごしている」と話す。
「遼寧」は就役10周年を迎え、若さ溢れる女性乗組員たちは「夢の空母」に乗って、それぞれの夢を追い続けている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年9月30日