鑑真和上の道をたどる若手研究者たち (2)

中日青年「パイオニア」(二)

人民網日本語版 2022年11月30日11:17

中国問題を研究する若手研究者である御器谷さんは、中日関係のあるべきスタイルについて、自分なりの考えをもっており、「日本と中国と言うと、人によって考えることは異なる。人の価値観は各自の心に存在し、それがその人の本性であるため、自分が相手に何かを期待したとしても、相手の価値観を変えることはできない。一人ひとりが自分らしく生き、自分の夢や目標に向かって努力することを願っている。中国人か日本人と『分類』されることは望まない。みんなが自分の好きなスタイルで生活し、そこからまっすぐ伸びた延長線上で交流するというのが良好な関係だと思う」と語る。

中国の視点から中国を観察し、個人の価値観という角度から中日関係を考えるというのが、中国問題を研究する若い御器谷さんの独自の視点となっている。

「世界の気候変動問題解決のために中日が協力できるよう役に立ちたい」

人民網の取材に応える郭拓人さん(撮影・呉穎)。

中国人民大学の修士課程に通っていた際、郭さんの研究課題は「再生可能エネルギー政策において中日間の戦略的互恵関係を築く」だった。

郭さんは、「日本は技術大国。ここ10年、日本が再生可能エネルギーの分野で取得した特許は、2位の米国の1.5倍で、断トツとなっている。しかし、市場シェアの低さが日本のウィークポイント。一方、中国の市場シェアは非常に高いものの、パーフェクトというわけではなく、技術という面でウィークポイントが存在している。もし、日本の技術と中国の市場をうまく結び付け、心を一つにして世界共通の課題を解決できるように取り組むことができれば、ゼロカーボン社会の実現を後押しできる」との見方を示す。

そして、「中日関係における、歴史認識問題や領土問題は一朝一夕で解決できる問題ではない。両国関係を改善するために、両国の指導者は自国の利益や第三者との関係を含む様々な要素を考えなければならず、乗り越えなければならない障害も多い。そのため、中日両国の民間企業間の交流、学術分野の緊密な協力が今後、さらに重要になるだろう。将来、学術の分野で何か貢献できればと思っている」と語る。

また、「日中関係がもっと良くなることを切実に願っている。そして、日本の国民と中国の国民がもっと仲良くすることを願っている。それを自分の生涯の仕事とし、両国関係を改善するというのが、自分の比類のない使命、職責だと思っている。そのため、例え取るに足らない分野であってもいいので、何か特定の分野で日中関係の第一人者と言われるようになりたい」とし、「これまでずっと、日本の視点から日中関係を見ていた。今後は視点を変えて、中国の視点から中日関係を見るようにしたい。ダブルマスターコース取得を目指す期間、中日関係の他に、気候変動や難民などの問題も研究したい。今後、中日関係やそれらの問題解決のために、自分の観点で役に立ちたい。また、日中両国の緊密な協力を促進し、気候変動といった世界共通の課題を解決するための未来の基礎を築く一員になりたい」と語る。

范教授は、「若手研究者たちは、中日間の緊密な交流を守り続けるのと同時に、双方向で客観的な学術研究を展開しなければならない。また、双方がそうした精神を持ち続けなければならない。しかし、そのような精神はどこから来たのかというと、それこそが鑑真の精神であって、鑑真が残した教訓だ。どのような困難や挫折に直面しても、自分の信念を終始確固として貫き、不屈の精神をキープしなければならない。そのようにすることができれば、必ず中日間で友好を実現することができる」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年11月30日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング

  • 全部
  • 経済
  • 社会
  • 政治