秦嶺林区のカメラが捉えたアジアゴールデンキャット(写真提供・陝西省林業局)。
陝西省林業局によると、同省漢西林業局葱灘国家湿地公園の管轄区内に設置されている赤外線カメラが、複数色のアジアゴールデンキャットが秦嶺山脈で活動している貴重な様子を捉えていた。中国新聞網が報じた。
職員が野外に設置されていた赤外線カメラのデータを整理していた際、野生のアジアゴールデンキャットが活動している映像を多数発見。そして、価値のある画像約50枚、映像約20コマを厳選した。資料をチェックし、画像・映像を比較した結果、栗色、斑紋型のほか、珍しい黒(首、肩、背中が赤茶色であるほかは黒、またはグレー)のアジアゴールデンキャットも映っていることが確認された。これらはアジアゴールデンキャットが秦嶺山脈南部での生息と分布状況を示す極めて価値の高い研究モニタリングデータで、管轄区内の生物多様性が効果的に保全されていることも示している。
秦嶺林区のカメラが捉えたアジアゴールデンキャット(写真提供・陝西省林業局)。
アジアゴールデンキャットは、体長約66-105センチ、尾長42-58センチ、体重8-16キロで、体色は栗色の単色型と斑紋型に分けられ、黒や灰色の個体も見つかっている。トラのようであり、ヒョウのようでもあり、威風堂々としている。標高1500‐3000メートルの山地の密林や岩石の多い地帯に生息している。森林に潜んでいる「殺し屋」で、岩壁登りを得意とし、さらに、すばしっこく、聴覚に優れ、ネコ科の動物の中で外耳が最も敏捷に活動する。個体数が非常に少なく、人間の前にほとんど姿を現さないため、その生態はほとんど知られていてない。2021年、アジアゴールデンキャットは、中国の「国家重点保護野生動物リスト」に組み込まれ、一級保護野生動物に指定されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月2日