浙江大学の発表によると、浙江大学薬学院、金華研究院の顧臻教授のチームが同校のその他の科学研究チームと協力し、無人機による特定方向投薬救急システムを開発した。関連する研究論文は学術誌「アドバンスド・マテリアルズ」に掲載された。科技日報が伝えた。
顧教授によると、この救急システムは無人機、薬品投擲装置、緊急治療薬を含むマイクロニードルパッチでつくられる。無人機が患者の元に到着すると、その他の力を借りることなく、自動的に投薬する。これにより患者の近くに救急設備がない、もしくは交通渋滞や不利な地理的位置などにより救急が間に合わない問題を解消する。
チームのメンバーによると、無人機が救援目標を捜索・識別すると、適度な高度で浮揚し、薬品投擲装置を出し、薬品の入ったマイクロニードルを救援目標の肌に刺す。薬は血液により全身を循環し、救急の目的が達成される。
顧教授によると、薬品投擲装置の底部のスイッチが肌の表面に触れると、バネの力で付着しているマイクロニードルを肌に差し込む。この推力は人の手よりも均等で、マイクロニードルパッチをよりしっかりと肌に貼ることを可能にしている。
同チームは低血糖モデルブタの急速救急に成功し、ブタの血糖値の持続的な低下を効果的に防止し、血糖値を正常な範囲に上昇させた。情報によると、このマイクロニードルには2つの放出モジュールがある。前端は薬品をスムーズに放出し、後端は血糖値の変化に反応できる。血糖値が安定していれば、薬品の放出がスローになる。
顧教授は今後の応用の将来性について、「今回の発明はプラットフォーム技術だ。ウェアラブルなバイタルチェック設備、先進的な検査もしくは分析システム、新型の投薬方法及び投薬設備は、無人機特定方向投薬救急システムと統合されることで、無人機を介した薬品救急応用シーンをさらに拡大できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年1月5日