2023年度の中国全土の大学卒業生は前年同期比で82万人増加し、1158万人に達すると予測されている。2022年に大学卒業生の規模が初めて1千万の大台を突破したのに続いて、今年もまた1千万人規模を超える大学卒業生が就職を迎える。しかも、今年は昨年より82万人多いことが予想される。この82万という数字を過小評価してはいけない。もともとプレッシャーの大きい就職市場にとって、この数字のもたらすプレッシャーは通常の状況より大きい。また、新型コロナウイルス感染症による打撃の影響で、2022年に卒業後も就職していない卒業生も一部おり、就職市場に少なからぬプレッシャーと試練をもたらしている。
2023年の就職環境について見てみると、国内では大きく改善され、就職の余地が明らかに広がる見通しだ。国際的には、中国の発展が直面する外部市場需要が縮小し、不確実性が高まっており、外需がもたらす就職機会増加の効果はある程度低下することが見込まれる。
このところ、主に中国の新型コロナ感染症防止・抑制政策が最適化・調整され、一連の経済安定政策が打ち出されていることを受け、国際機関は相次いで2023年の中国経済成長予測を上方修正し、5%前後との見通しを示している。この数値は、中国国内各地が設定した今年の経済成長目標にほぼ近いものだ。今年、経済成長率5%以上を保証できれば、就職・雇用関連の取り組みはそれほど骨の折れるものではなくなり、就職に際してのプレッシャーはより一層和らぐだろう。
中国国家統計局の康義局長は先ごろ開かれた記者会見で、「中国経済の好転と雇用ニーズの拡大にともなって、雇用機会も増加し、今年の中国の雇用状況は全体的に改善される可能性がある」と述べ、以下の点を具体的に挙げた。
(1)新型コロナ感染症防止・抑制の最適化措置が着実に実施されるにつれて、生産生活秩序が徐々に通常の状態に戻りつつあり、企業の生産経営も徐々に改善され、雇用ニーズが徐々に回復し、拡大していくことが見込まれる。
(2)交通・物流、住民の移動の増加により、宿泊や飲食、旅行などのサービス業の回復が見込まれる。サービス業は就業する人数が多く、接触型・集約型のサービス業の回復・改善はさらに多くの雇用創出につながる。
(3)各地域の各関係当局が引き続き雇用優先政策を強化し、負担軽減・雇用安定・雇用創出措置をさらに実施し、大学卒業生を含む重点対象層の就職支援に力を入れることで、雇用の安定が力強く保障される。
(4)経済発展を牽引する新たな原動力の急速な発展も、引き続きより多くの新たな雇用を創出し、雇用の拡大と質向上を後押しする重要な推進力となることが見込まれる。(編集AK)
「人民網日本語版」2023年1月30日