今月21-27日までが春節(旧正月、今年は1月22日)に合わせた7連休となった中国。26日、夜が明けるやいなや、李将偉さんは白鶴灘ダムを訪れ、1日の作業を開始した。李さんが携帯電話のアプリを立ち上げると、ダム全体の応力データがすべて表示された。「春節期間はスマート建造システムを利用し、ダム全域の巡回作業をスピーディかつ確実に行える」と李さん。科技日報が伝えた。
この世界のダム建設の奇跡を起こした「シームレス」ダムは材質で独自のイノベーションを創出しただけでなく、ダムの内部にはさらに数千台の温度計とセンサーが埋設されている。ここを流れる川の水は知らぬ間に多くの情報を残している。「ダムには2300近くのブロックがあり、ほぼすべてのブロックの温度と応力応変データがリアルタイムで更新される。警戒値に達すると、ダムの中枢神経であるスマート建造システムが携帯電話にメッセージを送り、重点的に巡回点検する方向を示す」。李さんは携帯電話のデータ情報を見て、落ち着いてチェックすべきエリアに向かった。
従来のダム点検・運用保守の大半が人手による逐次検査に頼っており、通路からダムのその他の部分において、役割分担で回を分けて巡回点検が行われていた。一方で、今年の春節は、ダムスマート建造システムの応用により、多くの巡回点検者が削減された。三峡集団白鶴灘ダムプロジェクト部に残る検査者は、李さんを含めて30人未満となっている。
それだけにとどまらず、モニタリングされたリアルタイムデータとビッグデータ研究を結び合わせることが、ダム運用保守・管理の新たな方向性だ。李さんは取材に対し、「白鶴灘水力発電所はこのほど、825メートルの正常水位まで貯水し、検収に合格した。その際に科学研究者はダム各部の応力データの変化を結びつけ、1万年に1度の洪水に見舞われた際のダムの運用状況を分析し、白鶴灘水力発電所の洪水対策建設に貴重な科学的データを提供している。今やハブプロジェクトが完成し、巡回点検作業を終えた李さんも気を抜けない。竣工・検収資料の整理及びスマート建造の経験の総括が必要だ。大国の代表的な製品の建設に参加でき誇りに思っている。スーパープロジェクトの革新的な経験をさらに総括し、それを必要とする各地に共有したい」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年1月30日