イラク中央銀行はこのほど、イラクの対中国貿易における人民元建て直接決済の許可を含む新たな外貨準備改善措置を発表した。
イラク中央銀行が22日に発表した声明によると、人民元の対中貿易直接決済は、①同国銀行が中国の銀行に開設した人民元口座の人民元準備高を増やす方法、②イラク中央銀行がJPモルガン・チェースかシンガポールDBS銀行の口座で同国銀行のドル準備高を増やし、人民元と両替する方法という2つの方法で実施できる。
イラク政府のムディール・サーレハ経済顧問はメディアに対し、「イラクが中国からの輸入貿易に対する人民元建て決済を許可するのは今回が初となる。これまでイラクは対中貿易に対しずっと米ドルで決済してきた」としている。
中国はイラクの最大の貿易パートナーであり、イラクは中国のアラビア諸国における第3の貿易パートナーとなっている。
イラクの今回の措置について、ロイター通信は「これは人民元が国際舞台でますます大きな役割を発揮していることを示す最新の兆候だ」としている。その一方で、イラク中央銀行は一貫して緊急措置を講じて、国内市場のドル不足に対応してきた。中東ニュースウェブサイトの「Al-Monitor」は、「イラク中央銀行の決定は、一部の中東国家が『ドル離れ』しつつあることをさらに示すものだ」としている。
サウジアラビアのモハメド・アル・ジャダーン財務相は1月に行われた2023年度ダボスフォーラムで、「サウジアラビアはドル以外の通貨で石油取引を行うことを望んでいる」とした。また、アラブ系のあるウェブサイトは、「現在、サウジアラビアはリヤルとドルのペッグ制を採用しているが、サウジがドル以外の通貨での取引を開放する計画により、リヤルが通貨バスケットの構成通貨とペッグされる可能性がある。多くのアナリストが『オイル・ダラー』の終わりの始まりになるかもしれないとの見方を示している」としている。(編集AK)
「人民網日本語版」2023年2月27日