「野生絶滅」を宣言されている「ヨウスコウチョウザメ」が3月21日午前、長江の天然水域で自然産卵したことが確認され、「ヨウスコウチョウザメ野生復帰繁殖実験」が画期的な成果を挙げた。これは野生復帰に向けてカギとなる一歩を踏み出したことを意味している。長江の固有種であるヨウスコウチョウザメが長江の天然水域で自然産卵するのは実に23年ぶりのことになる。中央テレビニュースが報じた。
今回の実験は長江の四川省宜賓市江安区間の天然水域で実施された。科学研究者はオス・メスの成魚20匹を45立方メートルの産卵箱に入れ、人工的な水流コントロールと産卵床を模した環境を作ることをベースにして、チョウコウチョウザメが、長江の天然水域で自然産卵と交配、受精を行うよう誘導した。
水中モニタリング映像を見ると、リョクトウほどの大きさの卵が産み付けられていることが分かる。今回の実験の責任者である中国水産科学研究院・長江水産研究所の研究員杜浩氏は、「今回の実験により、ハシナガチョウザメは野外繁殖の能力を失ったのではないかという懸念と疑問が解消された。長年、室内での人工繁殖が繰り返されてきたヨウスコウチョウザメが今回、野外で自然産卵したことで、ヨウスコウチョウザメの自然繁殖と野生復帰に希望をもたらしている」とした。
科学研究調査によると、2000年以来、ヨウスコウチョウザメの野外繁殖は確認されていなかった。2022年7月21日、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れがある動植物をまとめたレッドリストを更新し、「ヨウスコウチョウザメが野生絶滅した」と宣言していた。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月24日