月で家を建てるのも夢ではない! 「中国のスーパーレンガ職人」が登場

人民網日本語版 2023年04月12日13:26

「中国人は月で月面基地を建設する。これは前人未到の偉業であるだけでなく、世界のその他の国が成し遂げられなかったことでもある」。中国国内の100人の専門家・学者が8日、華中科技大学に集まり、第1回地球外建造学術シンポジウムを開催した。長江日報が伝えた。

■家を建てる材料は?

どんな高い建物も基礎から建てられる。月で家を建てる場合も「レンガを一つずつ積み重ねる」必要がある。月の一つ目の「レンガ」はどのようにして作られるのだろうか。国家デジタル建造技術イノベーションセンターの首席科学者である丁烈雲院士は、「『中国のスーパーレンガ職人』が月で材料を現地調達し、月の土壌を焼結させることで『月の土壌レンガ』という人工物を作る。もし現地でこれらのレンガを作ることができれば、一つの技術ロードマップが形成されることになる。月面玄武岩基地の建造も現実になるだろう」と述べた。

「月の土壌レンガの焼結の問題をいかに解決するか」。丁氏は、「現在すでに月の土壌をシミュレートした3種の焼結試験を完了している。具体的には真空焼結、不活性ガス焼結、空気焼結で、うち不活性ガス焼結の強度が最も高く100メガパスカル以上に達している。真空環境における月の土壌レンガの最も適した焼結温度は1000-1100℃の間で、加圧するならば焼結の時間がより短縮される」と説明した。

これらのシミュレートされた月の土壌レンガは月面で使用できるだろうか。丁氏は実験中に難題にも直面した。「月面の最低温度は氷点下196℃、最高温度は120℃だが、月面環境の一つのサイクルの試練(一つのサイクルとは、14日間の月の昼と14日間の月の夜)に耐えきれるだろうか。実験では、高低温サイクルによりシミュレートされた月の土壌レンガの強度が下がらないどころか、逆に上がった。常識的には強度が下がるはずだが、現在でも強度が上がる原因を探している」と丁氏。

■誰が建てる?

丁氏は、「月面での建造はさまざまな過酷な環境の挑戦に直面しており、スマートで高性能なロボットにより組積造と組み立てを行う必要がある。このロボットが『中国のスーパーレンガ職人』になる」と述べた。

丁氏によると、「中国のスーパーレンガ職人」の雛形である3Dプリンティングロボットが設計中だ。同ロボットは高さ数メートルの建築物をプリントし、組み立てることができる。設計は改善中で、今後はプロトタイプ機の研究開発を経て、完全に「中国のスーパーレンガ職人」になれるという。

「2028年頃に月探査機の嫦娥8号に中国のスーパーレンガ職人を搭載し、技術の実証実験を実施したい」。国家デジタル建造技術イノベーションセンターの周誠教授は、「その重量は50キログラム以内に抑えなければならない。デスクトッププリンターのようだが、使用するのは月の土壌であり、作るのは月の土壌レンガだ。こうすることで月面で材料を現地調達でき、人の手を必要としない」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年4月12日

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