「うちの古い家は築90年ほどになり、ご先祖様が代々ここに住んでいた。リノベーション後はさらに住み心地がよくなった」。古希を過ぎた古い地元民の江蘇省南京市の秦柳昆さんは、このように話してくれた。
秦さんの家は南京市秦淮区の小西湖街区(エリア)にあり、同街区は南京の市街地南部の中核エリアに位置し、「南京歴史文化有名都市保護計画」で確定された歴史風貌区28ヶ所のうちの1つだ。伝統的な市街地エリアの空間配置と社会構造を残しながら人が居住するこのようなエリアは決して多くない。
同エリアは2015年にリノベーション・改修を開始して、繁華街のテストケースになった。改修プランではこれまでにない古い都市のリノベーションアプローチに基づき、取り壊しをできるだけ少なくし、古い住宅をできるだけ残す方法が模索された。最終的に、小西湖エリアの810世帯のうち402世帯が住み続けることを選択し、秦さん一家もここに残ることにした。
一部の住民が引っ越していってできた空間には、カフェ、民泊施設、レストラン、虫文化館、ワーキングスタジオなどの新業態が入り、新しいものと古いものが融合し共生する場所になった。
22年11月26日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアジア太平洋地域文化遺産保護賞が発表され、南京・小西湖都市リノベーションプロジェクトが新設計プロジェクトの大賞を受賞した。評価委員会の評価コメントは、「社会と技術イノベーションの面では、再現と普及が可能な経験を世の中に示した」というものだった。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年4月26日