中国の6Gハードウェアの研究開発成果、低空ドローンや空飛ぶ車などに応用へ

5月30日に行われた中関村フォーラムグローバルB5G/6Gイノベーションフォーラムで、複数の専門家がB5G/6G産業の歩み、ネットワーク技術、業務シーンなどの各方面に関する意見を交わした。中国は現在、6G研究開発の重要なブレイクスルーの時期に入っており、そして一部の成果を上げている。中関村汎連移動通信技術革新応用研究院はフォーラムで実物＋動画の形式により、▽智簡通信システムサンプル機▽高精度ミリ波通信感知一体化プロトタイプ▽広帯域高速可視光リアルタイム通信プロトタイプ▽次世代クラウド化ワイヤレス新型エアインターフェース実証実験プラットフォーム――の4つの6G研究開発成果を発表した。同時に「智簡通信システム及び重要技術白書」を発表し、6G通信技術の発展の可能性を模索した。北京青年報が伝えた。

移動通信技術の発展に伴い、その応用シーンも前進し続けている。将来的に6Gは低空ドローン、空飛ぶバイク、高精度ロボットなどのより興味深く先進的な応用シーンに進出する。実際に現在すでに低空ドローンのフードデリバリーなどの応用が行われている。メーデー連休を前に、深センの有名な5A級景勝地である「世界の窓」が、中国初の景勝地常態化ドローンの航路を開設した。この新航路は景勝地から約1キロメートル離れたショッピングセンター「益田假日広場」を起点に、最短5分間で各種人気料理・飲料品及びウエットティッシュや虫除けシールなどの自宅や旅行で頻繁に用いるベビー・マタニティ用品などを世界の窓に届けることができる。注文から受け取りまでの全プロセスは15分もかからない。上述した技術は将来的に類似するシーン及び空飛ぶ車、ロボットと人との協調、ロボットの通信感知一体化などの面に応用される。

将来の照明はデータ伝送に利用できる？この広帯域高速可視光リアルタイム通信プロトタイプからは、電球を照明に用いるだけでなく通信の基地局としても利用できるという将来の可能性が見えてくる。中関村汎連移動通信技術革新応用研究院首席科学者で、中国移動研究院首席専門家の劉光毅氏は、「従来の可視光については通常、比較的成熟したLED照明を採用して信号の伝送に用いる。現在のLED器具は照明の需要に限られ通信の需要を考慮していないため、提供される帯域は比較的狭く、例えば数十メガヘルツしかないため、高速伝送の実現が困難だ。広帯域高速可視光リアルタイム通信プロトタイプは、青色レーザーの理論と製法の面でブレイクスルーを達成した」と述べた。

このプロトタイプにより最大2Gの帯域、最速10Gbpsの通信速度を実現できる。専門家は現在すでにエンドツーエンドの可視光の通信システムを開発している上、5Gbpsの伝送能力をほぼ備えるようにしている。将来の目標は100Gbpsの伝送能力の実現だ。この能力は将来的に、航空機内の通信、医療機器、屋内通信などの短距離通信で応用可能だ。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年6月2日