北京、3、4月気温上がらず桜開花遅れる 花見客大幅減
今年の3、4月、北京の気温は例年に比べて大幅に低く、桜や桃の花などの開花も大幅に遅れた。このため、花見客も減少。首を長くして花見を待っていた北京市民は、待ち切れず中国国内の湖北省武漢市の桜スポットや江西省ブ源県の菜の花スポットなどに向かっているようだ。北京青年網が報じた。
3月、例年に比べ気温が低かった北京は、4月に入って以降も未だに気温が上がって来ない。気象部門は、北京の春入り(平均気温が5日連続で10以上)は4月中旬以降にまでずれ込むと予想している。気温の低い状況は、北京市内の桜の開花にも影響。市内の公園を訪れてみると、例年通りならば満開を迎えているはずの桜の木も、まばらにつぼみを付けているのみ。花見を楽しみにやって来た人々も、思わずため息をこぼしている。
一方、北京の花見の時期がずれたことにより、他の地域が「特需」に沸いている。大手旅行サイト「携程旅游」や北京の旅行社「凱撒旅游」などによると、現在、中国国内は花見のピークを迎えている。「携程旅游」の関連の責任者によると、中国南方地域の桜や菜の花、桃の花が一斉に満開になり、見頃となっており、多くの花見客で賑わっている。
一方、武漢東湖生態旅游風景区管理委員会の責任者によると、「今年、同地に訪問する北京からの桜の花見客は、昨年より約30%多い」。その理由は、北京の桜の開花が遅れているため、花見客が流れていることだ。また、別の大きな理由として、北京と広州(広東省)を結ぶ「京広高速鉄道」が昨年12月に開通し、北京から武漢市が5時間で結ばれ、アクセスが非常に便利なったこともある。「北京からの観光客が増加したおかげで、花見スポットで有名な武漢大学だけでなく、今年は、東湖桜園の花見客も大幅に増加した」と同責任者。
旅行社によると、同済大学(上海)で、チャイナドレスを身にまとった女子大生が、桜並木で花見客を迎えるなど、多くの大学が花見客の呼び込みに力を入れたこともあり、春をテーマにした旅行の中でも、花見旅行が特に人気を博しているという。例えば、江蘇省無錫市を訪問する花見と温泉をセットにした短期旅行が最も人気になっており、予約件数は前年比50%増。また、武漢市を訪問する花見と博物館、東湖などをセットにした旅行も人気になっている。
一方、桜以外に、浙江省杭州市の西渓湿地公園の梅見や同市桐廬県の菜の花と昔ながらの山小屋宿泊をセットにした旅行、江蘇省揚州市のアジサイ観賞、上海近郊南匯区の桃の花観賞、奉賢区の菜の花観賞なども人気を博している。旅行にかかる費用も高騰することなく全体的に落ち着いた状況。これも、花見旅行がブームになっている主な原因の一つだ。業界関係者によると、旅行業界は2-4月、全体的に見るとオフシーズンであるため、花見に出かけるには絶好の時期になる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月9日