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子供が大学に入学し喪失感に襲われる中国の親達

 広西チワン族自治区桂林市に住む李さんは、娘が北京の有名大学に合格したことを知り、なんともいえない不安に襲われるようになったという。中国ではこれまで、子供が親元を離れて仕事をするようになり、高齢者が孤独な生活を強いられる状態が「空巣」と呼ばれ、大きな問題となってきた。しかし、今では、同問題が、中年の親にまで降りかかるようになっているのだ。40過ぎから50歳ほどの中年の人は、「空巣家庭」で生活しなければならず、その状態が20-30年、しいてはもっと長い期間続く。 「燕趙晩報」が報じた。

 中国の思想家・孔子はかつて、「父母在せば遠く遊ばず」と説いたが、現在の市場経済の条件下では、その伝統はほぼ消え去ろうとしている。そのような客観的事実を認めるという前提の下、まだ若い親の立場の人は、前もって心の準備をしておくことがカギとなる。長い「空巣」生活にできるだけ早く適応できるようにするのだ。子供が生まれてから、子供が生活の中心だったという親は、子供が親元を離れて大学などに通うようになると、喪失感やむなしさを抱くようになり、ひいてはそれが原因で、家庭崩壊の危機に陥る家庭さえある。

 「空巣」に適応するための主な方法は、気持ちを調整することを学ぶことだ。家は「空」になっても、心を「空」にしてはならないのだ。具体的には、まず、生活の中心を、子供から、仕事など別の分野に移すことだ。内の拠り所を他に移すことで、にぎやかさを失った「空巣」がもたらす、喪失感やむなしさに対処できる。次に、なるべく早く、新たな趣味や関心事を作ることだ。そして、子供を世話すること以外の、生活の楽しみを見つけるのだ。一方、心理的にナイーブな人は、専門のカウンセラーなどを訪ね、心のケアや調整を手伝ってもらうことで、心の問題からいち早く抜け出すこともできる。

 中国社会の問題は現在、「老年空巣」から「中年空巣」に変わろうとしている。このような逃げることができない社会の現実を前に、「空巣」家庭にある親の立場にある人が気持ちの調整をしっかりと行う以外に、コミュニティーや街の居民(住民)委員会など、末端組織が、「中年空巣家庭」への関心を高めたり、さまざまなレクリエーションを企画したりするなど、対策を講じる必要もある。そのようにして、「空巣家庭」になったばかりの人々が、1日でも早くその状態に適応できるようサポートするのだ。また、状況が深刻な人には、専門のカウンセラーに見てもらうよう促すことも必要だ。「中年空巣」は、家庭の問題であるが、社会の問題でもあり、社会が注目する必要がある。(編集KN)

 「人民網日本語版」2013年7月23日

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