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日本で生まれ、東南アジアに広がる「マック難民」 (3)

○マック活用法、東南アジアで特徴さまざま

 マック発祥の国・米国では、国内の都市・農村あまねく各地に展開しているファーストフード店は、その安さと速さと便利さで、忙しい人々のお腹を満たしている。ファーストフード店の経営戦略ポイントは、いかにして客の店内滞在時間を減らし、売上と回転率を最大限高めるかにある。欧米諸国では、ファーストフード店の店内は、「狭い空間」「坐り心地の良くないプラスチック製の椅子」など、長時間の「休憩」にあまり向かない設計になっている。利用客は、食事を済ませるとさっさと店を出て、そこで長時間休もうという考えは根っから持ち合わせていない。居眠りしてしまった客がいても、「おやすみになるのなら、店を出て別の場所に移動して下さい」と促すことは、店員の「善意の」サービスと見なされる。

 このように、休憩には全く適していない欧米のファーストフード店では、店で夜を明かそうとする客はほぼ皆無であり、そうしたいのなら、多くの人は公共の図書館やコーヒーショップがある本屋に行くという選択をするだろう。

 伝統的な飲食文化が色濃く残る東南アジアでは、有名な米国ファーストフード店の優位性はほぼ皆無だ。しかし、マクドナルドやケンタッキーはアジア市場に参入するために、欧米市場とは全く異なる経営方式を採用し、店内を、顧客が寛ぎ、楽しめる公共スペースに変身させた。欧米人から見ると、アジアのファーストフード店は、コーヒー1杯で一日中過ごせる「終日寛げるコーヒーショップ」のような存在だ。

 米国式ファーストフード店は、「空間消費」というコンセプトに基づく経営戦略によって、アジア市場でのシェアを急速に拡大してきた。消費者にとって、マクドナルドを利用することにおいて、単に食ベ物や飲み物を消費するというより、清潔で整頓された心地よい空間を消費するということの方がより重要な意味を持っている。このため、アジアの消費者のファーストフード店での滞在時間は、欧米の消費者よりも総じて長い。このような状況のもと、マクドナルドなどのファーストフード店は、空間利用という点である種のパブリック・イメージを作り出す必要が生まれた。店側は、消費額が少ない割には長時間テーブルを独占する客を決して追い出さないばかりか、彼らのために好ましい環境を創造し、さらにはマクドナルドを社交の場としたのである。このような経緯から、帰るべき家の無い人を追い出さず、革製の心地よいソファーでもてなす東南アジアのマクドナルドは、彼らにとっての「長期宿泊所」となり、「マック難民」という特別な群体が形成された。

○用語解説

 「麦難民(英語:McRefugees;日本語:マック難民またはM難民)」とは、24時間営業のファーストフード店に寝泊まりする家賃を払う余裕のない低所得者を指す。「麦」は「マクドナルド」の意味で、彼らはいつも、24時間営業のマックで夜を明かしている。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年8月30日

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