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周雨霏氏 在日学者 |
「日本は黒船来襲の時代の外部世界に対する猜疑心からまだ抜け出していない。」日本に滞在する学者の周雨霏氏はこう語る。中国と日本は長い交流の歴史を持ち、互いによく知っているようだが、逆に互いについて詳しく知らない状態だ。我々は自分の観点から相手側を理解しがちだが、より深く知るほど互いの違いを感じるものだ。そのため、我々はより多くの観点からより細かく観察し、より新たな視点を持つことが必要だ。北京晨報が伝えた。
周雨霏氏のいる大学の近くに新聞販売スタンドがある。すでに1年以上、各スタンドでは中国批判のメディアの文字で埋め尽くされた。中国の民間の「日本製品ボイコット」の声に対して日本の経済専門メディアは「中日貿易の占める割合は小さく、中国に輸出せずとも、日本はさらによくなるだけだ」と分析している。腹立ちのために幼稚な態度に出ているのだ。こうした幼稚さの根底は何だろう。哲学学者である周雨霏氏は非常に独特な考えを持っている。
■ドイツの日本に対する見方は複雑
周雨霏氏はドイツ語を学び、ドイツに4年留学した。その後珠海テレビ局で数年記者をつとめ、2010年に訪日し、現在は大阪大学でワイマール時代のドイツと日本、中華民国との思想の交流を研究している。訪日前は日本に対する理解も浅く、日本は落ち着いており、生活は疲れるものの容易だと考えていた。ドイツでも多くの日本人と接し、彼らの謙虚さと礼儀忠さを一種の文化だと考え、エキゾチックで神秘的だと誤解していた。当時ドイツの日本への態度は矛盾したものだった。日本の社会と個人に対してドイツ民衆は一般的に好感を持っていたが、一方で日本の歴史観については、ドイツメディアは一般的に批判的な態度だった。
■国際的なイメージの形成を得意とする日本人
なぜ一般市民が日本に好感を持つのか?日本は国際的なイメージ形成を得意とするからだ。日本は資本主義の先進国入りを果たした唯一のアジア国家として、西側諸国の民衆に他者(Others)のプラスのイメージを与えており、日本も自分の「他とは異なる」イメージの形成に力を入れている。
日本の政府、学界、民間で非常に一般的な観点は「日本は違う」というもので、そこから好奇心が生まれる。コーネル大学日本学研究者、酒井直樹氏は、こうした自己認識は実際には「他者の認識」の複製、再現、強化であると指摘している。「日本は違う」というイメージの形成は実際には一種のメディア戦略と言えるだろう。
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